研究課題/領域番号 |
13025237
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮尾 正信 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (60315132)
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研究分担者 |
権丈 淳 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (20037899)
佐道 泰造 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20274491)
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キーワード | 電子デバイス・機器 / 集積回路 / ディスプレイ / シリコン / 結晶成長 |
研究概要 |
ガラス基板(軟化温度:〜500℃)等の非晶質絶縁膜上に結晶方位の揃った大粒径(数μm程度)のSi系ヘテロ結晶粒を形成し、そこに能動素子(トランジスタなど)を作り込めば、集積回路とディスプレイとがグローバルにインテグレーションされる事になる。本技術の確立を目的とし、本年度は以下の研究を行った。 (1)結晶方位の制御 SiO_2上に堆積した非晶質Si薄膜を従来型の固相成長法で結晶化すると、面方位の異なる結晶粒が混在して形成される。これは、非晶質Si膜中のバルク核発生とSi薄膜/SiO_2界面における核発生とが同時進行するためである。もし、界面核発生のみを選択的に誘発すれば、界面エネルギーの差により、結晶核が一定方向に揃う事が期待される。そこで、Ge超薄膜(〜10nm)をSi薄膜/SiO_2界面に局所導入して、600℃で結晶化した。X線回折測定の結果、界面核発生が誘発され、結晶粒が(111)面に優先配向している可能性が示唆された。 (2)結晶粒の拡大化 前年度に引き続き、非晶質SiGe薄膜の触媒金属誘起成長を検討した。非晶質SiGe薄膜表面に触媒金属(Ni)を局所付着する事で、結晶化温度が700℃から500℃に大幅低下した。形成される結晶粒の寸法・形状はGe濃度に大きく依存するが、Ge濃度を最適化(20〜40%)する事で大粒径(〜10μm)且つ表面平坦な結晶粒が実現した。顕微ラマン分光測定の結果、結晶粒には内部応力が残留していない事も明らかとなった。 今後は、上記の方法で形成したSi系ヘテロ結晶の物性を詳細に評価すると共に、デバイス試作に展開して行く。
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