• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

断面光電子分光法による非晶質シリコン酸化膜の組成および結合状態密度の深さ方向分析

研究課題

研究課題/領域番号 13025243
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関武蔵工業大学

研究代表者

服部 健雄  武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061516)

研究分担者 野平 博司  武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (30241110)
キーワードX線光電子分光分析装置 / 0 1s光電子のエネルギー損失 / 電子状態の沁み出し / 価電子に対するエネルギー障壁 / 電子状態から決まる界面 / シリコン酸窒化膜 / Si界面構造 / シリコン酸窒化膜の表面粗さ / シリコン酸窒化膜の界面粗さ
研究概要

1990年に特別推進研究(2)で導入した現有のX線光電子分光分析装置ESCA-300用の高電圧電源を特別注文して測定系の長時間安定性を確保するとともに、ESCA-300用の制御用ソフトウェアを特別注文して測定時間の短縮を図った。又、次の研究成果を得た。1)検出深さを0.41nmまで減らすことにより、Siのエネルギーバンド構造のΓ点における直接遷移を0 1s光電子のエネルギー損失として、膜厚1.12nmのシリコン酸化膜を通しても観測できることを見出した。この0 1s光電子のエネルギー損失の酸化膜厚依存性を、Si結晶中の電子状態が酸化膜中に沁み出すと考えて解析した結果、膜厚0.26nmのサブオキサイド層を介して膜厚0.35nmのSiO_2一分子層が形成されて初めて価電子に対するエネルギー障壁が現れる、換言すれば電子状態から決まる界面は化学結合状態から決まる界面より0.61nmだけ酸化膜側に移動するという知見を得た。2)si(100)面上に形成したウェット酸化膜をNO中900℃で熱処理することにより界面に種々の量の窒素原子を導入した酸窒化膜を用意して、その角度分解Si 2p、N 1s光電子スペクトルを測定し、Si 2pスペクトルに含まれる窒素に結合したSi原子からの光電子スペクトルより決まるSi原子の最近接原子配置とN 1sスペクトルより決まる窒素原子の最近接原子配置より界面構造を決定した。また、角度分解Si 2p、N 1s光電子スペクトルに最大エントロピー法を適用して、SiO_2/Si界面近傍の窒素原子分布を解明した。又、シリコン酸窒化膜の表面およびシリコン酸窒化膜/Si界面の粗さを原子間力顕微鏡により界面に導入した窒素量の関数として調べた結果、界面に導入した窒素量が0.39×6.8×10^<14>cm^<-2>を越えると界面粗さが増大し、それを反映して界面粗さも増大することを見出した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Inoue, K.Furuno, H.Kato, N.Tanuma, K.Hikazutani, S.Sano, T.Hattori: "Interface Roughness Produced by Nitrogen Atom Incorporation at a SiO_2/Si(100) Interface"Japanese Journal of Applied Physics. 40・6A. L539-L541 (2001)

  • [文献書誌] 服部健雄: "極薄シリコン酸化膜に関する研究の現状と課題"Journal of Vacuum Society of Japan(真空). 44・8. 695-700 (2001)

  • [文献書誌] 高橋健介, 中村智裕, 野平博司, 廣瀬和之, 服部健雄: "X線光電子分光法による極薄シリコン酸化膜の高精度膜厚算出"Journal of Vacuum Society of Japan(真空). 44・8. 715-719 (2001)

  • [文献書誌] 高橋健介, 服部健雄: "極薄ゲート絶縁膜の原子スケール構造解析"応用物理. 70・9. 1094-1095 (2001)

  • [文献書誌] K.Hirose, K.Sakano, H.Nohira, T.Hattori: "Valence-band offset variation induced by the interface dipole at the SiO_2/Si(111) interface"Physical Review B. 64・15. 155325-1-155325-6 (2001)

  • [文献書誌] K.Takahashi, M.B.Seman, K.Hirose, T.Hattori: "Energy Barrier for Valence Electrons at SiO_2/Si(111) Interface"Japanese Journal of Applied Physics(Express Letter). 41・3A. L223-L225 (2002)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi