研究課題/領域番号 |
13026202
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
今井 正明 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80002103)
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研究分担者 |
佐藤 信也 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (00300963)
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キーワード | ファイバブラッググレーティング / 相互位相変調(XPM) / Add / Dropフィルタ / ファイバグレーティングカップラ(FGC) / 全光スイッチング / 波長可変光デバイス |
研究概要 |
本研究では、非線形屈折率が大きいGeO_2ドープ光ファイバを用いて光ファイバカップラを作製し、そのカップラウェスト部分に回折格子を書き込む。これにピコ秒エルビウムファイバレーザからの超短パルスを入射して光カー効果を誘起することにより、入射パワー依存波長特性を持つ光ADM (Add/Drop MUX)デバイスを作製する。非線形屈折率が極めて小さい場合でも、ポンプ光に強い光パルスを用いて相互位相変調(XPM)を利用することにより信号光(CW光)の高速スイッチングが期待できる。今年度はピコ秒波長可変エルビウムファイバレーザを用いて非線形ファイバグレーティングカップラによる光機能デバイスを実現することを目的としている。以下に得られた結果を要約する。 1.水素充填GeO_2ドープファイバを用いて融着テーパ型カップラを作製し、そのウェスト部分に2光束干渉法により回折格子を形成してファイバグレーティングカップラ(FGC)を作製した。グレーティング長10mm、紫外線照射時間315分で7%程度のDrop効率となった。 2.作製したFGCに高出力の超短パルス光を入射し、XPM効果による光スイッチング特性を測定した。信号光には可変波長光源(λ=1540〜1620nm)を用いポンプ光にはEDFA(15dB)内蔵ピコ秒エルビウムファイバレーザ(パルス幅0.6ps、ピークパワー3.55kW)を用いて、信号光の反射スペクトルの変化を確認した。 3.信号光をλ=1539.84nm(FGC反射スペクトルの中心より短波長側の波長)に設定したとき、ポンプ光強度を大きくすると信号光の反射スペクトル強度はほぼ直線的に減少することがわかった。これはポンプ光によるFGC反射スペクトルのレッドシフトから説明することができる。また、FGC反射スペクトルで長波長側に信号光を設定すると、ポンプ光強度に対する信号光のスペクトル強度は増加の傾向を示すことが確認された。
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