研究概要 |
将来の超高速・大容量光ファイバネットワークでは,波長多重技術(WDM)と光領域での時間多重技術(OTDM)を駆使して伝送容量がテラビット/秒を越え,さらに波長による信号のルーティング,信号の波長変換などの全光学的なノード処理を伴うことが予想される。さらにこのような大規模な光ネットワークでは,伝送信号の雑音,波形歪み,時間ジッタの蓄積が大きくなるため,Reshaping, Retiming, Regeneratingの3R機能を全光学的に実現する全光3R技術の開発が重要となる。本研究では,OTDM/WDM光ネットワークに必須のこれらのノード処理技術に関して,以下の研究を行った。 波長可変ファイバグラッググレーティング(FBG)を用いた分岐・挿入マルチプレクサを多段に組み合わせることにより,空間スイッチを用いない新しい構成の3x3,4波長多重光クロスコネクトを試作した。この構成で,入力側i番目のファイバ中の任意の波長チャンネルを,波長の衝突を起こすことなく出力側j番目のファイバにルーティングできることを実証した。 伝送された各波長チャンネルから全光学的な方法によりクロック光パルスを抽出し,次にチャンネルごとにクロック光パルスを伝送信号によってスイッチすることにより,リタイミング(Retiming)機能を実現する。このとき,光-光スイッチに非線形な入出力特性を付加することにより伝送された信号の雑音を除去し,信号再生(Regenerating)機能を発現させる。本研究では,クロック抽出と光スィッチを一つの光ゲートで実現する新方式を提案し,その機能を実証した。
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