研究概要 |
将来の超高速・大容量光ファイバネットワークでは,波長多重技術(WDM)と光領域での時間多重技術(OTDM)により伝送容量がテラビット/秒を越え,さらに波長による信号のルーティング,信号の波長変換などの全光学的な信号処理を伴うことが予想される。今年度は全光信号処理技術に関して,以下の研究を行った。 (1)全光学的波長ルーティング技術 光ファイバブラッググレーティング(FBG)に曲げによる圧縮歪を与えることにより,反射率や3dB帯域に影響を与えることなく,波長可変範囲90nmを達成した。このFBGを用いた分岐・挿入マルチプレクサを多段に組み合わせて,空間スイッチを用いない新しい構成の4波長3x3光クロスコネクトを試作した。 (2)全光信号再生技術 光パルスが正常分散を持つ光ファイバを伝搬すると,正常分散と自己位相変調の相互作用により,パルススペクトルは平坦に拡がる。データパルス列を用いてスペクトルを拡散した時,スペース時の雑音やパルスのペデスタルなど低パワーの信号は,ペクトルの中心部に集まる。したがって中心周波数をはずしてフィルタすることにより,雑音やペデスタル成分を除去し,全光学的な波形整形が可能になる。今年度は10GHz,パルス幅6psのパルス列からの広帯域スペクトル発生およびパルス整形実験を行った。
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