研究概要 |
近年、地下水など有機塩素化合物である農薬等にょる広範囲な環境汚染、PCP等に代表される第1種特定化学物質の保存管理の長期化からそれら根元物質の分解処理法の開発が急務となってきた。本研究では申請者が開発したカワラタケが分泌する脱塩素化酵素(Laccasceなど)の不織布への吸着と、その菌体の連続培養を同時に達成することが可能な不織布表面培養用リアクターを用いて内分泌攪乱物質であるBisphenol A(Bis A)あるいはアルキルフェノール類(特に、4-Nonylphenol,4-NP)を含む廃水を連続的に浄化させるために、菌の検索と選定した菌種を不織布表面培養法へ適用し、それら物質を連続的に分解し、急性毒性などを軽減させるためのバィオレメディエーション法を確立することを検討した。 その結果、白色腐朽菌C.versicolorの不織布表面培養法により内分泌攪乱物質を含む廃水の浄化に適応した結果、Bis Aおよび4-NPなどの内分泌攪乱物質は回分・連続処理いずれの場合にも、各物質の濃度を10iM以下にまで低くでき、本培養法が内分泌攪乱物質の分解に応用できることがわかった。しかし、処理水の内分泌攪乱作用を検討したところ、連続処理において、その作用を軽減すること今回行った実験条件内では難しいことが判明した。しかし、Bis Aの場合、回分処理についてかなり内分泌攪乱作用を低く抑えられたことから操作条件などをさらに検討することにより内分泌攪乱作用をほぼ無くすことは可能であると考えられる。
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