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2001 年度 実績報告書

ディーゼル車排気粉じんの内分泌撹乱作用とその発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 13027231
研究機関金沢大学

研究代表者

木津 良一  金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80143915)

キーワードディーゼル車排気粉じん / アンドロゲン様作用 / 抗アンドロゲン作用 / PC-3 / AR細胞 / 多環芳香族炭化水素 / アリル炭化水素受容体 / α-ナフトフラボン
研究概要

【緒言】近年、ディーゼル車排気粉じん(DEP)の内分泌撹乱作用が注目されている。そこで本研究では、実走状態の市販ディーゼル車から排気されるDEPを捕集し、その抽出物のアンドロゲン様作用および抗アンドロゲン作用を評価した。 【実験】DEPの捕集:市街地実走状態を想定し、シャーシーダイナモ上において市販ディーゼル車を種々のエンジン負荷条件下で運転し、排出DEPを石英繊維ろ紙上に捕集した。アッセイ試料の調整:捕集されたDEPからベンゼンーエタノール(3:1)で超音波抽出し、抽出物を最終的にエタノールに溶解してアッセイ試料とした。アッセイ:ヒト前立腺癌由来PC-3/AR細胞とアンドロゲン応答ルシフェラーゼ発現プラスミドを用いたルシフェラーゼレポータージーンアッセイ法により行った。陽性コントロールには10pM5α-ジヒドロテストステロン(DHT)を用いた。【結果および考察】DHT非存在下において細胞を抽出物試料で処理した場合はルシフェラーゼ活性の有意な上昇は見られず、10pMDHT存在下で細胞を処理した場合はDHTによるルシフェラーゼ活性の上昇が抑制された。DHT非存在下および存在下で有意な細胞毒性は認められなかったことから、DEP抽出物試料が抗アンドロゲン作用を示すことが明らかになった。抽出物試料の処理により細胞内のCYP1A1mRNAレベルが上昇し、アリル炭化水素水素受容体(AhR)のアンタゴニストであるα-ナフトフラボン(α-NF)の共処理によりCYP1A1 mRNAレベルが低下し、抗アンドロゲン作用の減弱化したことから、抽出物試料の抗アンドロゲン作用に多環芳香族炭化水素類が寄与していると考えられた。

研究成果

(2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazumasa Okamura: "Antiestrogenic activity of extracts of diesel exhaust particulate matter in MCF-7 human breast carcinoma cells"Polycyclic Aromatic Compounds. 22(1)(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Toshiharu Hirose: "Estrogenic/antiestrogenic activities of benzo[a]pyrene monohydroxy derivatives"Journal of Health Science. 47(6). 552-558 (2001)

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公開日: 2003-04-02   更新日: 2016-04-21  

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