研究課題/領域番号 |
13027242
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
尾崎 博明 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40135520)
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研究分担者 |
林 新太郎 大阪産業大学, 工学部, 助手 (60268274)
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
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キーワード | 内分泌撹乱物質 / 超低圧逆浸透法 / 膜ζ電位 / ビスフェノールA / 17β-エストラジオール / ノニルフェノール / ジエチルフタレート / pKa |
研究概要 |
超低圧逆浸透膜(全芳香族ポリアミド系膜、公称のNaCl阻止率:99.7%)を用いて各種内分泌撹乱物質の膜分離(印加圧力0.3Mpa)を行ったところ、Bisphenol A、17β-estradiol、Diethyl phthalateのように100%近い阻止率が得られるものがあった。一方、Pentachlorophenolや2,4-Dichlorophenolの阻止率はpH依存性を示し、酸性域で阻止率が80%以下と低く、アルカリ域で高くなった。これらの物質のpKa値は中性付近以下にありアルカリ領域で解離していること、及び用いた膜はそのζ電位測定結果から負に帯電していることから、阻止率は溶質の解離性と膜の電位に依存すると考えられた。Nonylphenlについても同様なpH依存性を示したが、上記の膜よりは塩阻止性能が低い低圧逆浸透膜(公称のNaCl阻止率:94%)を用いた実験では、時間とともに阻止率が漸減するという他の溶質では見られない傾向を示した。この結果はNonylphenが膜への強い吸着性によることが、吸着実験の結果から明らかとなった。酢酸やグルタミン酸ナトリウムなどの有機物質あるいは塩化カルシウムのような無機物質との共存系におけるNonylphenlの膜分離挙動について調べたところ、Nonylphenl単独系での膜分離結果との比較において阻止率が10〜20%上昇して95%以上を示し、しかも共存物質の濃度が高いほうが阻止率がより上昇することがわかった。Nonylphenlの場合、このような共存物質とともに挙動し同時に分離される機構があると推定された。
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