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2001 年度 実績報告書

胎生期に発現するオーファンレセプターの内分泌攪乱作用への関与

研究課題

研究課題/領域番号 13027250
研究機関大阪大学

研究代表者

西川 淳一  大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (90218131)

キーワード内分泌攪乱物質 / 核内レセプター / BXR / Xenopus
研究概要

これまで、内分泌攪乱物質はエストロゲンレセプター(ER)と結合して女性ホルモンと類似した作用を示すと考えられてきた。しかし、最近の研究から、内分泌攪乱作用を引き起こすと疑われている化学物質の作用点がER以外にあることを示唆するデータが多く出されている。また、胎児や新生児では内分泌攪乱物質に対する感受性が高いと言われているが、その詳細は明らかにされていない。胎児期の暴露による影響が成長して発現する可能性もあり、発生段階における内分泌攪乱物質の作用メカニズムを検討する必要性が高いと考えられる。そこで、本研究では新たな内分泌攪乱物質の作用点を捜す目的で、xenopus oocyteより胎生期に特異的に発現する核内レセプターのクローニングを試みた。
Xenopus oocyte由来のmRNAを鋳型として、degenerative primerを用いたRT-PCRを行い、新規な核内レセプターファミリーに属する遺伝子を得た。得られた遺伝子の配列を決定したところ、benzozte X receptor(BXR)とDNA結合領域において97%、リガンド結合領域において79%の相同性を有していた。そこで、この遺伝子をBXRβと命名し、DNA結合特異性やリガンド依存的な転写活性化を調べた。その結果、BXRβはRXRをヘテロダイマーパートナーとしてダイレクトレピート型の応答配列に結合することが示された。また、HeLa細胞を用いたトランスフェクション実験からBXRβはBXRと同様にbenzoateによるリガンド依存的な転写活性化が見られた。また、BXRβによる転写活性化は哺乳類におけるホモログと考えられるPXR/SXRと同様に、methylprednislone、dexamethosoneでは上昇したが、PXR/SXRの最も強力なリガンドであるpregnenolone 16α-carbonitrileやrifampicinには応答しないことが明らかとなった。
本研究により、Xenopus oocyteから新規核内レセプターBXRβをクローニングした。BXRβはbenzoate等の低分子化学物質をリガンドとすることから、新たな内分泌攪乱物質のターゲットになりうると考えられ、今後さらに研究を続ける。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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