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2001 年度 実績報告書

内分泌攪乱物質による数種の下等動物各臓器への影響の比較解析

研究課題

研究課題/領域番号 13027281
研究機関獨協医科大学

研究代表者

山口 恵一郎  獨協医科大学, 医学部, 講師 (70049211)

研究分担者 瀬尾 直美  東京医科大学, 医学部, 助教授 (90074640)
間中 研一  獨協医科大学, 医学部, 講師 (40049242)
キーワード環境汚染物質 / ビスフェノールA / 軟体動物 / ナメクジ / 短期間曝露 / 消化器官 / 生殖腺 / ELISA法
研究概要

環境汚染物質が高濃度に濃縮されているであろう土壌を住環境としている動物は、これらの物質による生理的攪乱作用を受けやすいと考えられ、絶滅に瀕している動物種も多いと予想される。その土壌上を這い廻る陸棲軟体動物ナメクジは雌雄同体であり、しかも雌性細胞と雄性細胞とが生殖腺内に共存する。また、表皮はヒト消化管上皮と類似の構造を持つ。よって環境汚染物質の影響を他動物よりも高頻度で受ける可能性がある。そこでエストラジオール様作用をもち、精子形成の減少を含むマウス成熟雄の生殖能力に対する影響で知られるビスフェノールA(BPA)をヤマナメクジとフツウナメクジに投与して、1)BPAの感受性の存否とその濃度、2)蓄積器官の存否、3)マクロファージ機能への影響、について短期間曝露実験を行って調べた。BPAの投与はコーンオイル又は生理食塩水に溶解後に注射、あるいはBPA-アセトン溶液で処理した濾紙上で動物を飼育する方法によった。その結果、1)両性輸管は雄性期にもかかわらず、BPA投与30日後の光顕像では、雌性期初期の様相を呈した。2)フツウナメクジを100mg/L BPA-アセトン処理した濾紙上で30日間飼育した時、BPAの皮膚濃度は餌と同程度であり、中腸腺を含む消化器官はそのおよそ15倍であった。3)BPAは陸棲軟体動物では消化管、および皮膚において外環境から体内に取り込まれ、中腸腺等に蓄積されると考えられる。4)本実験のELISA測定法によれば、検体100mg以上に対して、BPA濃度0.1mg/kg以上(通常感度法)、あるいは0.01mg/kg以上(高感度法)での測定が可能であり、環境汚染レベルの濃度測定ができることが分かった。5)マクロファージの認識能に顕著な有意差は現時点では認められていないが、更なる検討を進めている。以上により本テーマに関する実験系を確立することができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山口恵一郎, 瀬尾直美, 間中研一, 佐々木由利, 古田恵美子: "ビスフェノールAの短期曝露による軟体動物の各器官の変化"内分泌撹乱物質の環境リスク-研究報告会要旨集-. 120-121 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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