研究概要 |
天然からは中大員ヘテロ環構造を持つ化合物が多数単離されており,顕著な生物活性を示す化含物も多い。当研究室ではニヨウ化サマリウムによる還元環化反応を利用することで,炭素中員環が効率良く環化できることを見出している。この中員環構築法ではアリルクロリドとケトンとの間で分子内還元カップリング反応がほぼ定量的に進む。さらに,高希釈条件が必要ないという驚くべき特長がある。今回,6員環,7員環エーテルが同様の条件下で収率良く形成できることを見出した。まず,6員環エーテルの閉環を行った。THF中,HMPA共存下,ニヨウ化サマリウムと反応させると,目的とした分子内カップリング反応が進み,6員環エーテルがほぼ定量的な収率で生成した。立体選択性も高く,95:5以上の選択性で水酸基どビニル基がトランス配置の立体異性体が主生成物として得られた。次に,7員環エーテルの閉環を検討した。同様に,THF中,HMPA共存下でニヨウ化サマリウムと反応させたところ,7員環エーテルが高収率で得られた。さらに,7員環エーテルの環化反応がHMPA非共存下でも進行することが分かった。
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