研究概要 |
(1)シスおよびトランスエポキシドの立体特異的相互変換 「シスおよびトランスエポキシドの立体特異的相互変換」をエポキシスルフィドを用い,二重立体反転を伴うハロゲン置換反応を設計することにより,世界に先駆けて達成した。これらの成果をドイツ化学会誌(Angew. Chem. Int. Ed. Engl.)に発表した。 (2)ノルゾアンタミンの全合成研究 分子内Diels-Alder反応を鍵工程とするノルゾアンタミンの合成ルートを立案し,2個の四級炭素及び5個の不斉中心を含むノルゾアンタミンのABC環部の高立体選択的構築に成功した。これらの成果をTetrahhedron Leteers誌に発表した。 (3)アセチレンジコバルト錯体の分子間[5+2]型付加環化反応を基軸とするシクロヘプタノン類の高立体選択的合成 アセチレンジコバルト錯体を5炭素ユニットとし,シリルエノールエーテルを2炭素ユニットとする分子間[5+2]型付加環化反応を考案し,シクロヘプタノン類の高立体選択的合成を達成した成果をアメリカ化学会(Org. Lett.)に発表した。 (4)インゲノールの全合成 トウダイグサ科の植物から単離されたジテルペンで極めて複雑な立体構造を有し,発癌プロモータ活性や抗白血病活性など特異な生理活性を示すインゲノールの全合成および不斉全合成を達成した。これらの成果をアメリカ化学会誌(J. Am. Chem. Soc.)に発表した。
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