研究概要 |
我々はCO_2が有機金属錯体に容易に配位する事を利用し,アルキンとCO_2から導かれるオキサニッケラサイクルを有機亜鉛試薬とトランスメタル化させ3置換α,β-不飽和カルボン酸の合成を検討し既に報告した.^1そこで本反応をヘテロ環の合成に利用する事を企画した.側鎖にヘテロ原子をもつ末端アルキンをCO_2雰囲気下Ni(O)と反応させ,オキサニッケルとし,その後亜鉛試薬とトランスメタル化させるとα,β-不飽和酸が得られるはずである.分子内のヘテロ原子がα,β-不飽和酸にMichael型の付加をするならばヘテロ環が得られるものと思われる.この考えのもとに4級炭素を持つベンゾフラン,ベンゾピラン,イソインドール,イソキノリン等のヘテロ環の合成に成功した.本反応の特徴は用いる亜鉛試薬によって様々な4級炭素を持つヘテロ環を合成出来る事である. 次に本反応を利用してErythrina alkaloidoの一つであるErythrocalineの合成を試みた.ピペロナールを出発原料としてα,β-不飽和エステルに導きアルキニル亜鉛試薬を反応させその後キノリン誘導体を得た.その後ジェニンに導き,Ru触媒を用いたヂエニンメタセシスを鍵段階としてerythrocalineの合成に成功した。 Reference : 1. M. Takimoto, K. Shimizu, M. Mori Org. Lett. 2001, 3, 3345.
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