• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

含窒素複素環化合物を用いる可視光利用環元反応系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13029037
研究機関新潟大学

研究代表者

長谷川 英悦  新潟大学, 理学部, 助教授 (60201711)

キーワード光誘起電子移動 / 還元的分子変換 / 含窒素複素環 / ラジカルイオン / プロトン移動 / 可視光
研究概要

本研究では,基質の光吸収特性に依存しない可視光を利用する還元的分子変換法の開発を目標とした。具体的方針として,1)可視光吸収光増感剤と1,3-ジメチル-2-フェニルベンズイミダゾリン(DMPBI)の複合系の利用,2)可視光吸収DMPBI類縁体の利用,を考えた。そして,1,6-ビスジメチルアミノピレン(BDMAP)とDMPBIの系が,ケトンのアルコールへの還元やピナコールカップリングおよびエポキシケトンのアルドールへの変換に有効であることが明かとなった。また,DMPBIの2位のフェニル基上の置換基の違いにより反応効率に顕著な差がみられた。例えばイソホロンエポキシドの反応では,メトキシ置換DMPBIの場合はアルドールの収率は80%程度であったのに対して,クロロ置換DMPBIの場合は基質の変換率とアルドールの収率ともに顕著に低かった。次いで,可視部に光吸収を有する2-アントリル体(DMABI)を用いる光還元反応を検討したところ,光増感反応に比べて基質の適用範囲の点で問題が見られた。またDMABIの光励起状態の調査(発光スペクトル,EPRスペクトル)から,励起エネルギーはアントラセン部位に非局在化していること,DMABIの蛍光強度がその酸化体に比べ顕著に弱いという事実を発見した。この現象はベンズイミダゾリン部位による2位のアントラセン環の励起一重項状態の分子内電子移動消光過程(励起エネルギー消費過程)の存在を示唆しており,還元剤として利用する場合の問題点を示している。
以上の点から,DMPBIの分子修飾による長波長化よりも,増感剤のさらなる検討および増感剤と協同するDMPBI類縁体の新規開発を今後の研究方針としたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Eietsu Hasegawa: "1,3-Dimethyl-2-phenylbenzimidazoline (DMPBI)-acetic acid : an effective reagent system for photoinduced reductive transformation……"Synthesis. 1248-1252 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi