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2001 年度 実績報告書

メタラ環状化合物の効率的発生と触媒的複素環構築

研究課題

研究課題/領域番号 13029064
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関大阪大学

研究代表者

三浦 雅博  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20183626)

キーワード合成化学 / メタラ環状化合物 / 複素環化合物 / 遷移金属錯体 / 触媒反応 / 芳香族化合物 / ビニル化 / アリール化
研究概要

本課題は、遷移金属を含むメタラ環状化合物の効率的な発生と、それを活性反応中間体として利用する新規な触媒的複素環構築法の開発を目指している。交付申請書に記したように、まず一連の含酸素、含窒素、含硫黄官能基を有する芳香族基質を調製または市販試薬を購入し、ロジウムおよびイリジウム錯体との反応により、メタラ環状化合物の発生について検討した。その結果、1-ナフトールや1-アミノナフタレン誘導体がペリ位水素の切断を伴ってイリジウム錯体と反応し、C-Ir-OおよびC-Ir-N型メタラ環状化合物を効率良く形成することが明らかとなった。そこで、これら基質と不飽和化合物とのイリジウム触媒カップリング反応を試みたところ、内部アルキンと触媒的に効率良く反応し、含酸素および含窒素複素環に容易に誘導可能な、ペリ位へのビニル化生成物が高収率で生成することを見い出した。イリジウム錯体としては特にかさ高いホスフィン配位子を持つものが高活性を示した。溶媒としてはトルエンやキシレンなどの低極性溶媒が適当であった。
一方、アリールアルキルケトンを基質に用いた場合、塩基存在下で二価パラジウムと反応し、C-Pd-O型メタラ環状化合物を形成することをすでに見い出しているので、これを利用する新触媒反応の開発についても検討した。その結果、芳香族ハロゲン化物と処理すると、期待したオルト位アリール化だけでなく、アルキル鎖へのアリール基導入も起こり、拡張パイ電子系構築に有用なオリゴアリール化合物が生成することを見い出した。この反応に用いるパラジウム錯体の配位子としてはトリアリールホスフィンが、溶媒としてはトルエンやキシレンなどの低極性溶媒が有効であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 三浦 雅博: "Iridium-Catalyzed Reaction of 1-Naphthols, N-(1-Naphthyl)benzenesulfonamides, and Salicylaldehyde"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 74. 1727-1735 (2001)

  • [文献書誌] 三浦 雅博: "Multiple Arylation of Alkyl Aryl Ketones and α,β-Unsaturated Carbonyl Compounds via Palladium Catalysis"Tetrahedron. 57. 5967-5974 (2001)

  • [文献書誌] 三浦 雅博: "Palladium-Catalyzed Arylative Carbon-Carbon Bond Cleavage of α,α-Disubstituted Benzylalcohols"J.Am.Chem.Soc.. 123. 10407-10408 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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