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2001 年度 実績報告書

前周期遷移金属環状化合物の合成と機能

研究課題

研究課題/領域番号 13029065
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関大阪大学

研究代表者

真島 和志  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (70159143)

キーワードヘテロメタラサイクル / 重合 / メタラサイクル / MMA / リビング重合 / タンタル / 金属錯体 / 触媒
研究概要

遷移金属とヘテロ元素の結合を持つ環状化合物(ヘテロメタラサイクル)は、多様で柔軟性に富んだ配位様式(配位結合)をとることができる。このような配位子の「柔構造」を活かした重合触媒の開発を目的として研究を進めている。今回は、タンタル錯体触媒によるMMAのリビング重合について報告する。モノアザジエンおよびジアザジエン配位子をもつハーフメタロセン型5族金属錯体を系統的に合成することにより、金属上および配位子上の置換基の種類によって多様な配位構造をとることがわかってきた。3族や4族のメタロセン触媒は、α-オレフィン類の重合ばかりでなく、メタクリル酸メチル(MMA)などの極性モノマーの重合触媒となることが見いだされ注目されている。われわれは、MMAの重合触媒活性種となる配位不飽和なエノラートを温和な条件で発生させることを目的として、モノマーが配位した触媒前駆体を合成し、MMAのリビング重合が進行することを見いだした。3価の2量体錯体、[TaCp^*Cl_2]_2(1)と1当量のMMAを反応させることにより、TaCp^*(supine-η^4-MMA)Cl_2(2)を合成した。次に、錯体2と1当量のマグネシウム-ブタジエン化合物を反応させることにより、ブタジエン-MMA錯体TaCp^*(prone-η^4-,3-butadiene)(supine-η^4-MMA)(3)を得た。さらに、2と1当量のLi_2(R_2-DAD)(THF)_4を反応させ、ジアザブタジエン配位子をもつ錯体TaCp^*(η^2-R_2-DAD)(supine-η^4-MMA)(4a : R=C_6H_4OMe-p;4b : R=C_6H_4Me-o;4c : R=cyclohexyl)を合成した。錯体4のUVスペクトルにおいて、500nm付近にLMCTによる吸収が観測されたことから、DAD配位子は中心金属にη^2-ジアザメタラサイクル型で配位していることがわかった。これらタンタル-MMA錯体3,4a-cに1当量のアルキルアルミニウム(AlMe_3)を添加した系はMMAの重合触媒となり、シンジオリッチなポリマー(rr=70〜%)を与えた。中心金属が電子豊富なほど、高い重合活性を示し、4cを前駆体とした場合にもっとも活性が高く、最も分子量のそろったポリマー(M_w/M_n=1.1)が得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Matsuo: "Half-metallocene Tantalum Complexes Bearing Methyl Methacrylate (MMA) and 1,4-Diaza-1,3-dicnc Ligands As MMA Polymerization Catalysts"Angew.Chem.Int.Ed.. 40. 960-962 (2001)

  • [文献書誌] A.Nakamura: "'Supine' or 'Prone' Ligands : Geometric Preference of Conjugated Diene, 1-Azadiene, and 1,4-Diazadiene Ligands on Half-metallocene Complexes"J.Organometallic Chem.. 621. 224-230 (2001)

  • [文献書誌] M.Tanaka: "Unique Axial Interaction of a Quadruply-Bonded Cr(II)-Cr(II) with Tow Pt(II) Atoms in the Linearly Aligned Pt-Cr-Cr-Pt Supported"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 74. 67-75 (2001)

  • [文献書誌] Y.Matsuo: "Selective Formation of Homoleptic and Heteroleptic 2,5-Bis(N-aryliminomethyl)pyrrolyl Yttrium Complexes"Organometallics. 20. 3510-3518 (2001)

  • [文献書誌] Y.Matsuo: "Intramolecular Coupling Reaction of 1-Aza-1,3-butadiene Ligand and Iminoacyl Ligand Giving Amido-imido Complexes of Tantalum"Organometallics. 21. 138-143 (2002)

  • [文献書誌] Y.Matsuo: "Half-metallocene 1-Aza-1,3-butadiene Complexes of Tantalum : Auxiliary Ligand Effects on Controlling Coordination Modes of 1-Aza-1,3-butadiene Ligand"Bull.Chem.Soc.Jpn.. (印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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