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2001 年度 実績報告書

ジパラダ環状化合物の合成、構造および反応

研究課題

研究課題/領域番号 13029070
研究機関大阪大学

研究代表者

黒沢 英夫  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40029343)

キーワード有機パラジウム錯体 / アレニル錯体 / メタラサイクル / 2核錯体
研究概要

本研究では、Pd-Pd結合が環骨格内に含まれる有機パラジウム錯体を合成し、それらの新規反応パターンを見出して、将来の画期的分子変換法を開発するための手がかりを得ることを目的とする。以下に本年度の成果をまとめる。1)アレニルジパラダサイクルの合成と求電子反応:Pd(I)-Pd(I)結合上にプロパルギル/アレニル基が架橋配位するジパラダサイクルの合成法を確立した。最も効率の高い方法は、プロパルギル/アレニル単核Pd(II)錯体とゼロ価Pd錯体の間のレドックス縮合法であることが分かった.種々の2核錯体の構造は、スペクトル解析やX線構造解析で決めた。構造的特徴は、C-C-C骨格とPd-Pd骨格が平行でほぼ等しい長さに並ぶことであり、全体としてホームベースの形をしたジパラダサイクルを構成する。最も新規な反応特性としては、求電子剤との高い親和力が挙げられる。これは、単核のπ-プロパルギル/アレニルPd(II)錐体が求核剤の攻撃を受けやすく種々の合成反応に応用されていることと対照的である。分子軌値計算で解析したところ、この異常な反応性の原因は、Pd-Pd結合の電子が配位子の、π^*軌道に逆供与されることによって中心炭素に大きなローブを有するHOMO軌道ができることにあると推定できた。2)アレニルジパラダサイクルを経る光学活性アレニル錯体のラセミ化:光学活性な単核アレニルPd錯体のラセミ化過程の動力学的解析を行い、系中で発生するPd(0)種によって出来るアレニルジパラダサイクルがラセミ化を促進することが判明した。この知見は、アレニルPd錯体を中間体とする触媒的不斉合成反応の構築に有用である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Ogoshi, T.Nishida, K.Tsutsumi, H.Kurosawa: "Carbon-Carbon Bond Formation by Electrophilic Addition at the Central Carbon of the μ-η^3-Allenyl/Propargyl Ligand on the Pd-Pd Bond"J.Am.Chem.Soc.. 123. 3223-3228 (2001)

  • [文献書誌] S.Ogoshi, T.Nishida, T.Shinagawa, H.Kurosawa: "Key Process IN Palladium-catalyzed Asymmetric Transformation of Propargyl Electrophiles Racemization of Optically Active η^1-Allenyl palladium(II)"J.Am.Chem.Soc.. 123. 7164-7165 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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