• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

高分子複合結晶の巨視的配列制御による機能の複合化と相分離リサイクル

研究課題

研究課題/領域番号 13031012
研究機関東京工業大学

研究代表者

西 敏夫  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70134484)

キーワード結晶性高分子 / 生分解性高分子 / 相溶性 / 相互侵入球晶 / 結晶化 / 生分解リサイクル
研究概要

分子構造が全く異なる結晶性高分子どうしの混合系についてその相溶性、結晶化、構造形成を研究し、系統的な知見が得られた。また、特に生分解性結晶性高分子を中心に研究を進めたところ、構造制御により、生分解速度も制御できることが判明した。更に、ある種の条件下では、異種高分子の球晶どうしが相互に侵入し合う相互侵入球晶(Interpenetrated Spherulite, IPS)が生成することを見出し、その証明を行うことができた。これらの一連の研究は国際的にも注目され、2003年11月にバンコクで開催された第8回太平洋高分子国際会議の天然及びグリーンポリマーのセッションの基調講演に「生分解性高分子をベースとしたブレンドの構造と物性」というタイトルで選定され高い評価を受けた。新分野を開拓した研究シリーズとして認定された。
具体的には、生分解性高分子として、微生物合成系として、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-ヒドロキシヴァレレート)(PHBV)、化学合成系として、ポリブチレンサクシネート(PBSU)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリエステルカーボネート(PEC)などが対象である。
このうち、特にPES/ポリエチレンオキシド(PEO)、PBSU/PEO、PHBV/ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PBSU/ポリビニルフェノール(PVPh)などが相溶性を示すことを発見した。IPSに関しては、ナノメートルオーダーで本当に異種結晶のラメラどうしが相互侵入することを、原子間力顕微鏡による結晶化実時間測定で証明することができた。また、本特定領域の第1班の青井助教授(名大、応用分子生命科学)との共同研究により、PEC/PLLA系では、IPSの程度を制御すると、生分解リサイクルの速度を制御できるという興味深い知見が得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Z.Qiu, T.Ikehara, T.Nishi: "Miscibility and Crystallization in Crystalline/Crystalline Blends of Poly(butylene succinate)/Poly(ethylene oxide)"Polymer. 44. 2799-2806 (2003)

  • [文献書誌] Z.Qiu, T.Ikehara, T.Nishi: "Melting Behaviour of Poly(butylene succinate) in Miscible Blends with Poly(ethylene oxide)"Polymer. 44. 3095-3099 (2003)

  • [文献書誌] T.Ikehara, Y.Nishikawa, T.Nishi: "Evidence for the Formation of Interpenetrated Spherulites in Poly(butylene succinate-co-butylene)/Poly(L-lactic Acid)Blends Investigated by Atomic Force Microscopy"Polymer. 44. 6657-6661 (2003)

  • [文献書誌] Z.Qiu, M.Komura, T.Ikehara, T.Nishi: "DSC and TMDSC Study of Melting Behaviour of Poly(butylene succinate)and Poly(ethylene succinate)"Polymer, Polymer Communication. 44. 7781-7785 (2003)

  • [文献書誌] Z.Qiu, M.Komura, T.Ikehara, T.Nishi: "Poly(butylene succinate)/Poly(vinyl phenol)Blends. Part 1. Miscibility and Crystallization"Polymer. 44. 8111-8117 (2003)

  • [文献書誌] 青井啓悟, 西 敏夫: "強相関ソフトマテリアルのバイオリサイクル制御"機能材料. 24・4. 18-23 (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi