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2001 年度 実績報告書

生体分子を有するポリマーの疎水性相互作用を利用した特異な細胞接着基質の構築

研究課題

研究課題/領域番号 13031014
研究機関東京大学

研究代表者

畑中 研一  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70167584)

キーワード糖鎖ポリマー / ウリジン / 細胞接着 / 糖転移酵素 / ガラクトース / 線維芽細胞
研究概要

これまで、ウリジンを有するポリマーで処理した表面に3T3-L1線維芽細胞の特異的な接着が起こり、その接着が細胞表面に存在するガラクトース転移酵素を介したものであることを研究してきた。ガラクトース転移酵素はUDP-ガラクトースのガラクトース部分をN-アセチルグルコサミン上にβ1→4結合で転移する酵素であり、α-ラクトアルブミン存在下ではグルコース上にガラクトースを転移してラクトースを合成する。通常のガラクトース転移酵素は小胞体やゴルジ体に存在しているが、細胞膜表面にガラクトース転移酵素を発現している細胞がある。この細胞膜表面のガラクトース転移酵素は、細胞の接着や移動に関与していると考えられているが詳細な研究はされていない。本年度は、ウリジンおよび糖を有するポリマー上への各種細胞の接着に関して研究した。
ガラクトース転移酵素を抗原としたウサギの抗血清と蛍光ラベルした抗ウサギIgG(二次抗体)を用いて調べると、3T3-L1線維芽細胞にガラクトース転移酵素があることがわかった。疎水性のポリスチレンシャーレをウリジンを有するポリスチレン(PUSS)でコートし、細胞接着実験を行ったところ、細胞膜表面にガラクトース転移酵素を持っている3T3-L1線維芽細胞がよく接着し、ガラクトース転移酵素を持っていないHeLa細胞はあまり接着しない。また、3T3-L1線維芽細胞は、ガラクトースを有するポリスチレン(PVLA)でコ-トした表面へは接着せず、2種のポリマーのブレンド(PUSS+PVLA)やコポリマー(P(U-V))でコートした表面に対しては、接着はするものの、細胞形態を見るかぎり、PUSS表面に対するような仮足の伸展は見られない。さらに、3T3-L1線維芽細胞は、N-アセチルグルコサミンを有するポリマーでコートした表面に対しては、ガラクトースに対してよりは強く接着するものの、ウリジンよりは弱い接着性を示した。このことから、強度の異なる3種類の制御が可能と思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] K.Hatanaka, J.Oishi, A.Tsuda, S.Matsunaga, M.Kunou, et al.: "Specific Adhesion of 3T3-L1 Fibroblast onto Uridine-Containing Polystyrene"Macromol.Biosci.. 1・9. 397-400 (2001)

  • [文献書誌] 畑中研一, 白石竜司, 鬘谷 要, 奥山光作: "主鎖中にオリゴ糖鎖を有する芳香族ポリエステルの合成"日本化学会誌. 2002・1. 53-55 (2002)

  • [文献書誌] K.Katsuraya, Y.Imoto, K.Okuyama, K.Hashimoto, H.Takei, R.Aono, K.Hatanaka: "Synthesis of Oligosaccharide with Controlled Sequence"Carbohydr.Lett.. 4・2. 131-136 (2001)

  • [文献書誌] 畑中研一, 粕谷マリアカルメリタ, 大倉一郎: "二酸化炭素固定化は必要か?"生産研究. 54・1,2. 95-98 (2002)

  • [文献書誌] 畑中研一, 秋吉一成, 佐藤智典, 西村紳一郎 他33名: "季刊化学総説No.48 糖鎖分子の設計と生理機能"学会出版センター. 225 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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