研究課題/領域番号 |
13033026
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山縣 ゆり子 熊本大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40183678)
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研究分担者 |
土井 健史 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00211409)
池水 信二 熊本大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (60333522)
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キーワード | 巨核球分化 / 蛋白質の大量調製 / 蛋白質の結晶化 / 蛋白質-蛋白質相互作用 |
研究概要 |
種々の血球は骨髄の造血幹細胞から分化する。その中で血小板の前駆細胞である巨核球への分化、成熟の分子機構は、最もわかっていない研究領域である。本研究は、研究分担者土井らにより発見された巨核球への分化の過程で産生される一連の蛋白質群の結晶化、X線結晶構造解析を行い、蛋白質の3次元構造から、巨核球への分化に関わる蛋白質一蛋白質相互作用機構の解明に貢献することを目的としている。 本年度は、(1)昨年度、特に未分化な造血系組織に特異的に産生され、シグナル伝達系によく見られるリン酸化可能な配列を多くもち、巨核球への分化、細胞分裂(染色体の凝縮)に重要な役割を果たしていると推定されるヒトDRF-1の大腸菌からの大量調製系の確立に成功したので、引き続き、その確立した方法で数mgの蛋白質を高純度に精製し、結晶化条件の検討を行った。現在のところまだX線構造解析に適した結晶は得られていない(山縣)。なお、精製したhDRF-1の2次構造をCDスペクトルで調べたところ、ヘリックス、シート構造をもっていること、すなわち、ちゃんと高次構造をとっていることが示された。(2)全長蛋白質の結晶化をあくまで追求しつつ、同時に精製した蛋白質をトリプシン等で処理し、質量分析、アミノ酸分析を用いてドメイン構造を決めるため、トリプシン処理の条件検討中である(山縣、土井)。(3)大腸菌から精製したヒトDRF-1は、可溶化剤による可溶化、巻き戻しのステップを通っているので、天然の三次元構造をもつはずの動物細胞からのDRF-1を精製、大腸菌からのものと比較することを目的にどの細胞でDRF-1が高発現かを調べたところCOS7細胞中の発現が多いことが判った(土井、池水)。
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