研究課題/領域番号 |
13033043
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
城 宜嗣 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 主任研究員 (70183051)
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研究分担者 |
李 東善 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 協力研究員 (20321838)
足立 伸一 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 先任研究員 (60260220)
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キーワード | 一酸化窒素 / 窒素還元酵素 / 脱窒 / チトクロムP450 / X線還元 / 水和電子 / 高分解能結晶構造解析 |
研究概要 |
基礎データとして、ヘム(Fe-porphyrin錯体)を活性中心に含む脱窒カビの一酸化窒素還元酵素NORのFe^<3+>型、Fe^<2+>CO型、Fe^<3+>NO型の高分解能X線回折データ収集を行った。構造解析の結果、Fe^<3+>型とFe^<2+>CO型については、1Å分解能の構造が得られ、アミノ酸側鎖やヘムの多型性、鉄-配位子結合geometryの精密な決定、水素結合ネットワークの精密な決定、温度因子の精密な解析を行った(Acta Cryst1 Dに報告済み)。 Fe^<3+>NO型に関しても1Å分解能の回折データ収集に成功した。しかし、構造解析をしてみると、X線露光時間に依存して、Fe-NOの結合角度が、132度から115度に変化していく様子が観測された。同様の変化は、測定温度を液体窒素温度から液体ヘリウム温度にかえても、またX線の波長を長波長から短波長に変えても観測された。クライオ条件下でX線を照射した時に生じる変化を、単結晶を用いて顕微分光法でモニターしたところ、Fe^<3+>NO型が(おそらく水和電子により)還元されていく様子が観測された。しかし、最終的なスペクトルの形状は、室温溶液状態で測定したNORのFe^<2+>NO型(Fe^<3+>NO型の一電子還元)や反応中間体(Fe^<3+>NO型の二電子還元状態)のものとは異なっていた。このFe^<3+>NO型のX線還元状態の電子状態をより詳細に検討するために、単結晶ESRの測定を計画している。 また、このようなチトクロムP450型ヘム酵素において、Fe^<3+>NO型のX線還元が普遍的なものかどうか確かめる為に、他のP450(耐熱性P450 CYP119)においても同様の実験を行った。その結果、同じようなFe-NOの結合角度の変化が観測された。顕微分光測定においても変化は観測されたが、最終生成物はNORとは異なる形状のスペクトルを与えた。さらにいくつかのP450についても検討予定である。
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