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2001 年度 実績報告書

小胞体ストレスを起源とする神経細胞死の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 13035031
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

今泉 和則  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (90332767)

キーワード小胞体ストレス / 神経細胞死 / カスペース / アルツハイマー病 / プレセニリン / センサー / 神経 / 細胞
研究概要

小胞体ストレスによって引き起こされる神経細胞死に中心的な役目を果たすカスペース12の活性化機構を明らかにできれば、小胞体を起源とする神経細胞死から救済する戦略が構築できる。そして、この研究成果は小胞体ストレスによって起こる神経難病の新たな治療法開発への道を切り開くことも可能にする。本研究ではカスペース12と結合しその活性化を制御する分子の同定を試みることと、小胞体ストレスによる神経細胞死の制御機構の解明を目指した。
本研究によって得られた新知見を以下に示す。
1.カスペース12と結合する分子の同定:カスペース12がCARDドメインを有することからTRAF2と結合することが予想された。実際に細胞内に両者を強制発現させて免疫共沈を行うことにより細胞内で結合することが証明された。つまり小胞体ストレスによって活性化した小胞体膜キナーゼIRE1がTRAF2をリクルートし、それがトリガーとなってカスペース12、IRE1、TRAF2による複合体形成が生じる。その結果TRAF2にリクルートしてきたカスペース12は自己切断を起こし、細胞死シグナルの活性化を引き起こすものと考えられた。
2.カスペース12活性化に先行するストレスセンサーの活性化障害:家族性アルツハイマー病原因遺伝子プレセニリン1(PS1)は小胞体ストレスに対する細胞の抵抗性を減弱させ、カスペース12活性化を伴う神経細胞死を誘発する。変異PS1はカスペース12の活性化が生じる前に、ストレスセンサーのIRE1およびPERKの活性化を抑制することを見出した。この結果は、PS1による神経細胞死はストレスセンサーの機能障害を起源とすることを意味する。
2.の結果については論文にまとめた。今後は小胞体ストレスによる神経細胞死のメカニズムをさらに詳細に検討するために、カスペース12の結合パートナーをさらに見出すことと、小胞体ストレスによる細胞死シグナルに関わる新規分子の同定を試みる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Katayama, T., Imaizumi, K., Honda, A., Yoneda, T., Kudo, T., Takeda, M., Mori, K., Rozmahel, R., Fraser, P., George-Hyslop, P., Tohyama, M.: "Disturbed activation of ER stress transducers by familial Alzheimer's disease-linked presenilin 1 mutations"Journal of Bilogical Chemistry. 276・46. 43446-43454 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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