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2002 年度 実績報告書

小胞体ストレスを起源とする神経細胞死の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 13035031
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

今泉 和則  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (90332767)

キーワード小胞体ストレス / 神経細胞死 / カスペース12 / 神経変性疾患 / 遺伝子スクリーニング
研究概要

本年度は実施計画に従って、以下の2つの研究テーマについて研究を進めた。
1、カスペース12の活性化による細胞質へのデスシグナル伝達メカニズム;
小胞体局在性の細胞死実行分子であるカスペース12のデスシグナル伝達機構を理解するため、カスペース12と結合し細胞質への移行に関与するかあるいはカスペース3の活性化に関与する分子を酵母Two-hybrid法により検索した。その結果、2つの候補遺伝子の取得に成功した。すなわち、RanBPMと新規ESTクローンである。両者はカスペース12の活性中心が存在する領域近傍に結合すること、および動物細胞内でもカスペース12との結合能力を有することが明らかになった。現在、それぞれの抗体を作成中であるが、小胞体ストレス刺激時におけるカスペース12との結合をエンドレベルで検出する実験を行う予定にしている。
2、小胞体ストレス依存的に発現誘導する遺伝子の細胞死誘導メカニズム;
目的遺伝子を網羅的に検索するため、PCR-Selected subtraction法により遺伝子スクリーニングを行った。その結果、発現上昇する遺伝子として14種類を同定した。そのうちから新規遺伝子MDG1/ERdj4の解析を行った。この遺伝子がコードする蛋白質はN末端側にJドメインを有しており、ヒートショック蛋白質群の活性制御に関与すること、細胞にMDG1/ERdj4を発現させておくと小胞体ストレスに対して抵抗性を示すようになることがわかった。以上の結果から、MDG1/ERdj4は小胞体ストレスに応答して発現誘導し、小胞体内腔に蓄積した折り畳みの異常な蛋白質を分解系に導くか、あるいはGRP78/BiPと協調して異常蛋白質の折り畳みを促進し、細胞傷害から保護する役割を果たしている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kurisu, J., Honma, A., Miyajima, H., Kondo, S., Okumura, M., Imaizumi, K.: "MDG1/ERdj4, an ER-resident DnaJ family member, suppresses cell death induced by ER stress"Genes to Cells. 8・2. 189-202 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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