研究課題/領域番号 |
13035057
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
根本 康夫 理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, 上級研究員 (30250088)
|
研究分担者 |
山口 和彦 理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 副チームリーダー(研究職) (00191221)
|
キーワード | シナプス伝達 / シナプス小胞 / リン脂質 / ホスファチジン酸 / リソホスファチジン酸 |
研究概要 |
1.エンドフィリンアイソフォームの局在と性状解析 エンドフィリンアイソフォームに対する特異的ペプチド抗体を作製し、免疫組織化学的解析を行った。その結果、構造の類似したエンドフィリンアイソフォームのうち、エンドフィリン1、2が脳の神経終末に多く発現していること、エッドフィリン1、2の脳内分布は異なっていて、エンドフィリン1は広範なニューロンの神経終末に発現しているが、エンドフィリン2は海馬CA1およびCA3領域シナプスに多く発現していることが明らかになった。 2.エンドフィリンの活性調節と形質膜への作用機構の解析 エンドフィリンの形質膜への作用を調節する因子を同定するため、エンドフィリンのSH3ドメインに結合するタンパク質を酵母ツーハイブリッドスクリーニングで探索し、新たなエンドフィリン結合タンパク質EBP-1を同定してcDNAクローニングによって一次構造を決定した。EBP-1に対する抗体を作製し、免疫組織化学的解析を行った結果、EBP-1は脳に多く発現し、脳では広範なニューロンの細胞体と神経終末に在ることが示された。EBP-1の性状の詳細な解析を行っている。 3.哺乳類中枢シナプスにおけるエンドフィリンの生理的役割の解析 上記のエンドフィリンアイソフォームの局在の解析結果から、哺乳類の中枢神経細胞でシナプス小胞のエンドサイトーシスによる再生過程に主な役割を果たすのは、エンドフィリン1および2であると考えられた。また、エンドフィリン1、2の脳内分布の違いから、エンドフィリン1、2が異なる脳機能に関与する可能性が示唆された。これらを検証し、エンドフィリンのシナプス伝達における生理的役割を詳細に解析するため、エンドフィリン1および2のノックアウトマウスの作製を進めている。
|