研究課題/領域番号 |
13037018
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木梨 達雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (30202039)
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研究分担者 |
前田 明人 京都大学, 医学研究科, 助手 (50298882)
片桐 晃子 京都大学, 医学研究科, 講師 (00322157)
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キーワード | T細胞 / 抗原提示細胞 / 免疫シナプス / ケモタキシス / Rap1 / LFA-1 / ICAM-1 |
研究概要 |
1 LFA-1によるT細胞と抗原提示細胞(APC)の接着形成メカニズムとT細胞の活性化 前年度、T細胞としてHEL抗原特異的3A9またはOVA特異的T細胞クローンを用い、抗原特異的におこるT細胞とAPC接着の形成とT細胞活性化のシステムを確立し、抗原刺激によるRap1の活性化の程度に相関して、LFA-1/CAM-1を介するAPCとの接着、TCR架橋、1L-2産生が亢進すること、また恒常的活性化により不応答状態になることがあきらかになり、Rap1がT細胞とAPCに重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに単一細胞レベルでT細胞がAPCと接着する様子を継時的に撮影し、Rap1の活性化が亢進するとAPC上での安定した免疫シナプスの形成、ラフトの集積が起ることを明らかにした。 2 ケモタキシスにおけるLFA-1の接着性調節 ケモカイン刺激(SDF-1,SLC)によって、早期にRap1が一過性の活性化することがわかった。Rap1特異的GAPであるSpa1導入によってRap1の活性化を阻害すると、LFA-1によるICAM-1への接着が阻害された。抗原によるT細胞刺激と同様、ケモカインによるRap1の活性化がLFA-1の接着亢進に必要であることが分かった。活性化型Rap1の導入により、接着の亢進だけでく、ICAM-1上での細胞運動が亢進することがビデオ撮影によって明らかになった。 3 Rap1エフェクター分子の単離と機能解析 Rap1によるLFA-1接着性調節と細胞運動調節を明らかにするため、酵母two-hybrid法により分子量約3万のp30を単離した。p30はGTP-Rap1に結合し、脾臓や免疫系細胞に多く発現している。p30の過剰発現により、LFA-1の接着性亢進、細胞運動亢進がみられた。現在その分子機構を解析している。
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