• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

B細胞のシグナル伝達におけるPI3キナーゼの機能

研究課題

研究課題/領域番号 13037028
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関山口大学

研究代表者

鈴木 春巳  山口大学, 医学部, 助教授 (70235985)

キーワードB細胞 / PI3キナーゼ / p85 / ノックアウトマウス / シグナル伝達
研究概要

PI3キナーゼの最も主要な調節サブユニットであるp85α分子を欠失したマウスは、B細胞の分化及び活性化に大きな異常が見られる。このマウスの表現型はBtk欠損マウスのそれと非常に類似していたため、この類似性はp85αとBtkが直接の上下関係にあることを示す結果であると解釈されてきた。しかしながら、今回我々はp85α欠損B細胞においてB細胞受容体(BCR)刺激によるBtkのリン酸化、PLCγのリン酸化およびCaイオンの流入が阻害されていないという意外な事実を明らかにした。いっぽうPI3キナーゼの下流因子として最有力視されているAktの活性化はp85αマウスにおいて完全に阻害されていた。また、Aktの下流で活性化されるNF-kBの活性化およびbcl-xLの誘導も強く抑制されていた。NF-kBおよびbcl-xLの活性化はBtk欠損マウスでも起こることが知られているので、p85αマウスがBtkと同様の表現型を示したのはいづれのマウスにおいてもNF-kBの活性化が起こらないためであることが示唆された。さらに、p85αマウスにbcl-xLをトランスジーンとして強制発現させることによりB細胞分化および機能の異常がほぼ野生型のレベルまで回復した。以上のことからPI3キナーゼはBtkの活性化には必須ではないが、Aktの活性化には必須でありNF-kBの活性化を通してアポトーシスを阻害する経路に重要な働きをしていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Katsuyuki Tsunoda et al.: "Pathogenic autoantibody production requires loss of tolerance against desmoglein 3 in both T and B cells in experimental pemphigus vulgaris"Eur. J. Immunol.. 32. 627-633 (2002)

  • [文献書誌] Koji Eshima et al.: "Lack of Evidence for Aggregation-Dependent Enhancement of p56lck in the Signal Transduction upon MHC Recognition by Mature T Cells"Immunology. (印刷中). (2002)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi