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2002 年度 実績報告書

遺伝子タギングによる植物の過敏感細胞死関連遺伝子の単離とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 13039013
研究機関福井県立大学

研究代表者

石川 敦司  福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (70264687)

キーワード植物 / 遺伝子タギング / 細胞死
研究概要

申請者は、シロイヌナズナのT-DNAタギングラインをスクリーニングし、細胞死突然変異体(len: lesion initiation)を単離した。そのうち、len1とlen2変異体は劣性突然変異体で、len3変異体は優性突然変異体であったことから、野生株において、LEN1とLEN2は細胞死発現を抑制し、LEN3は促進していると考えられた。またこれら細胞死突然変異体では、細胞死の発現に伴い、葉の細胞においてカロースや自家蛍光物質の蓄積が見られるとともに、防御遺伝子(PR-1やPDF1.2)の発現も誘導されていた。また病原菌に対する抵抗性も獲得していた。これらの結果から、len1、len2およびlen3変異体における細胞死発現は、植物の抵抗性反応で誘導される過敏感細胞死と同様な機能を有していると考えられた。つまり、これら細胞死突然変異体の解析を通して、植物の過敏感細胞死および耐病性発現機構を解明できると考えられた。
len1変異体はT-DNAでタグされていたことから、TAIL-PCR法によりその挿入部位を決定した。その結果len1変異体では、T-DNAの挿入にともない第一染色体に存在するchaperonin 60β(CPN60β)遺伝子が欠失していることが明らかとなった。そこでCPN60β遺伝子をlen1変異体に導入したところ、突然変異が回復した。このことから、LEN1遺伝子はCPN60βをコードしていることが明らかになった。LEN1(CPN60β)は葉緑体に局在するシャペロニンであり、葉緑体内でタンパク質のフォールディングに関与していると考えられている。実際、大腸菌で作成したCPN60βは、in vitroにおいてタンパク質のアグリゲーションを阻害したことから、シャペロン活性を持つことが明らかになった。またlen1変異体を高温で処理すると、野生型植物体よりも早く枯死した。これらのことから、len1変異体においては、葉緑体におけるシャペロニン活性が低下し、これが細胞死の発現を誘導していると予想された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ishikawa, A et al.: "Deletion of a chaperonin 60β gene leads to cell death in the Arabidopsis lesion initiation 1 mutant"Plant Cell Physiol.. 44. 255-261 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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