研究課題/領域番号 |
13041027
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 伸郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10152729)
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研究分担者 |
西尾 健資 京都大学, 医学研究科, 助手 (70303790)
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キーワード | 細胞内カルシウム / カルシウム遊離 / カルシウム放出 / 大脳皮質 / カリウムチャネル / カルシウムチャネル / IP3受容体 |
研究概要 |
これまでの研究で、ラット視覚皮質の錐体細胞にて、ムスカリン受容体アゴニスト刺激にともなって細胞内IP3濃度が中等度に増加しているとき、活動電位の発火頻度が高い場合に限って神経細胞内でIP3-assisted CICRという細胞内カルシウム遊離が起こり、これがトリガーとなって興奮が抑制されることを見いだした。また、このIP3-assisted CICRには過興奮抑制の導入という機能的意義のあることを報告した。本年度は、こうした過興奮抑制作用が起こるときのチャンネル機構をカレントクランプ法とボルテージクランプ法並びにカルシウムイメージング法とを用いて調べ、(1)カルシウム感受性のKチャンネルのうち、BKチャネルは関与しないこと、(2)Mチャンネルは関与しないばかりか、IP3-assisted CICRに先立って抑制を受け、この過興奮抑制にむしろ拮抗的に作用すること、(3)SKチャンネルがIP3-assisted CICRの主たる標的チャンネルであることを明らかにした。他方、IP3-assisted CICRの過興奮抑制作用が起こるためには、カルシウムチャンネルとIP3受容体間の機能的カップリングが必須であり、このカップリングが生後1週には未熟であって生後2週までに完成することを見出した。さらに、このカップリングがアンカー分子によって担われている可能性を検討した。実験の結果、既知のある種のアンカー分子であってIP3受容体との分子的結合が生化学的に証明されている分子の関与が示唆されつつある。
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