研究概要 |
計画調書に記述した実験計画に従い、平成13年度は以下の研究を遂行した。 1.新規受容体様分子群に関する研究(未発表) 我々の以前の実験で、中枢系に発現する新規受容体様分子群(BSRP-A, B, C)が単離された。細胞内ドメインにチロシン残基が共通の位置に保存されており、ある種のリン酸化酵素によりリン酸化され得ることが示された。従って、チロシンリン酸化によるアダプター分子を仲介した細胞内情報伝達が示唆された。また、ノックアウトマウスの作成に向けた実験を遂行し、数カ月以内に得られる段階にまでに現在進めている。 2.ノシセプチン受容体の機能解析(Mol. Pharmacol. 59,612,2001;Neuroreport 12,1757,2001) 我々の以前の研究で、ノシセプチン受容体を介する興奮性調節が中枢系の様々な神経細胞において見い出されている。脊髄後根神経節細胞において、ノシセプチン受容体の活性化は神経細胞の興奮性低下を導くことがドイツのグループとの共同研究で示された。また、製薬企業との共同研究において、J-113397という低分子薬物は優れたノシセプチン受容体拮抗薬であることが示された。
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