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2001 年度 実績報告書

Ca2+透過型AMPA受容体の活性化によるCa2+結合蛋白の局在変動とその意義

研究課題

研究課題/領域番号 13041070
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

岡戸 晴生  財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (60221842)

研究分担者 近藤 真啓  財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (50312294)
三輪 昭子  財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (60142155)
キーワードAMPA受容体 / Ca2+透過性 / 核移行 / Calbindin28k / アデノウイルス / Fura-2 / CREB / 培養神経細胞
研究概要

これまでラット前脳領域において、CalbindinD28k等のカルシウム結合蛋白の発現とカルシウム透過型AMPA受容体の発現が相関することを明らかにしたが、この発現相関の機能的意義の解明を目的とし、培養系を用いて実験をおこなった。ラット大脳皮質の培養神経細胞において、AMPA刺激により、特異的にCalbindinD28kの局在が樹状突起、細胞体から、核に変化することを免疫組織学的手法、および分画法により見い出した。CalbindinD28kが核へ移行することから、遺伝子発現への関与の可能性を検討したところ、CalbindinD28kの核への局在変化と転写因子CREBのリン酸化の程度が相関することを見い出した。さらに詳細を検討するために、株細胞を用いて再構成実験をおこなった。カルシウム透過型AMPA受容体をPC12細胞に発現させCREBのリン酸化の程度を測定したところ、CalbindinD28kを共発現させた場合、CREBのリン酸化の程度が増加した。これ対してYFPを融合し核移行を阻害したYFP-CalbindinD28kでは、その程度が小さかった。このことは、AMPA受容体の活性化から遺伝子発現までの経路にCalbindinD28kの核移行が関与することを示唆している。
一方、カルシウム透過型AMPA受容体を発現させた場合、CalbindinD28kを共発現させると、AMPA受容体の機能発現が亢進することが、Fura-2を用いたカルシウムイメージング法によって示唆された。CalbindinD28kのこの機能はYFP-CalbindinD28kでも同様であった。細胞外認識抗体による染色によって、AMPA受容体の細胞膜上への発現増加が明らかとなった。従って、CalbindinD28kの存在は、AMPA受容体の膜上への発現を促進し、その機能を亢進させていることが示唆された。
以上のことから、AMPA受容体はそのカルシウム流入によってCalbindinD28kの核移行を促進させCREBのリン酸化を増加させるが、他方CalbindinD28kはAMPA受容体の膜発現を促進させているという、双方向に制御する機構が考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kondo M, Miwa A, Okado H: "Analysis of changes of subcellular localization of calbindin-D28k with gene expression methods"Neurosci Res. 51(suppl). S179 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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