研究課題/領域番号 |
13043002
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
豊島 秀男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20197966)
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研究分担者 |
大坪 素秋 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (10211799)
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キーワード | 細胞周期 / サイクリン / CDK / CDK阻害因子 / DNA複製 / p21 / Cdt1 / Geminin |
研究概要 |
哺乳動物における脂質合成を支配的に制御している転写因子であるSREBP (Sterol Regulatory Element Binding Protein)の生理的意義を解明する目的で、肝臓特異的にSREBP-1aを発現するトランスジェニックマウスを作成し、その解析を行った結果、著名な肝腫大を来たし、SREBP-1aが脂質代謝のみならず、細胞増殖の制御にも関与している可能性が明らかになった。本トランスジェニックマウスの肝臓を用いたマイクロアレイを行った結果、CDK阻害因子であるp21の発現量が上昇していることが明らかとなり、SREBP-1aが肝臓における細胞周期制御に関与している可能性が示唆され、さらに解析を進めた結果p21遺伝子プロモーター領域にSREBP結合領域であるSRE部位を新たに発見し、SREBPがこれを介してp21遺伝子プロモーターを直接活性化することを明らかにした。また、サイクリンE依存性キナーゼよりもサイクリンA依存性キナーゼが染色体異常を強く引き起こしゲノムを不安定化させることをヒト正常繊維芽細胞へのレトロウイルスベクター導入系により証明した。サイクリンA依存性キナーゼの標的基質がゲノムの安定性維持に関わることを想定し、その標的基質であるDNA複製ライセンス化因子Cdt1とCdt1の阻害因子Geminin、および、Gemininと相互作用するポリコーム遺伝子群がどのようにゲノムの安定性維持に関わるか検討を行っている。サイクリンE依存性キナーゼの標的基質Ceb1と相互作用する因子については現在解析中であるが、サイクリン依存性キナーゼの活性制御に重要なCDC25Bの細胞内局在制御の報告を行った。
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