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2002 年度 実績報告書

細胞死と細胞周期を統合的に制御する分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 13043003
研究機関千葉大学

研究代表者

古関 明彦  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40225446)

研究分担者 上條 岳彦  信州大学, 医学部, 講師 (90262708)
キーワードポリコーム群 / クロマチン / プログラム細胞死 / Hox / Mel-18
研究概要

Mph2結合タンパクであるTopoisomerase 1-binding RING finger protein (Topors)は、RINGフィンガー、ロイシンジッパー、PEST領域を有する核タンパクであり、PML体に局在し、カンプトテシン処理によってPML体から解離することが知られている。Toporsは、培養細胞において過剰発現させるとMph2だけでなくp53にも結合し、これらふたつのタンパクを安定化させる。Mph2の安定化によるインパクトは明らかではないが、p53の安定化を介して細胞死またはG1期停止を量依存的に誘導する。この過程は、p53による下流遺伝子の転写活性化を促進することによってもたらされる。Toporsの発現は、シスプラチンなどのDNAダメージによって誘導されることから、ToporsはDNAダメージ依存的p53活性化を媒介する分子として位置付けられる。別のMph2結合タンパクであるScmh1を同定し、それを欠損したマウスを作成した。Scmh1欠損マウスにおいては、中軸骨格系の後方化が観察された他、約半数のマウスにおいてオスの不妊が見られた。この不妊は、減数分裂前期におこる精子の品質管理に必須とされるプログラム細胞死の顕著な亢進によるものであることを示した。このプログラム細胞死の亢進は、がん抑制遺伝子であるInk4aの転写抑制の解除とそれにひき続いておこるp53の活性化によることを示した。これらの実験事実は、ポリコーム群によるInk4a遺伝子座のクロマチン構造の制御が、精細胞におけるプログラム細胞死に重大なインパクトを与えることを示した。そして、Ink4a遺伝子座は、精細胞におけるプログラム細胞死の感受性を決める、精子の品質管理のためのセンサー遺伝子座としても位置付けうる可能性が強く示された。がんまた、Scmh1を次損した胎児性繊維芽細胞を用いて、Ink4a遺伝子座の抑制を介した細胞老化の抑制及びセントロメアへの結合を介した染色体の安定性の制御に必要であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Miki, T: "Mouse model of Prinzmetal angina by disruption of the inward rectifier Kir6.1"Nature Med. 8. 466-472 (2002)

  • [文献書誌] Murakami, H: "Elbow knee synostosis (Eks) : A new mutation on mouse Chromosome 14"Mammalian Genome. 13. 341-344 (2002)

  • [文献書誌] Yamaki, M: "The mouse Edr2 (Mph2) gene has two forms of mRNA encoding 90-and 36-kDa polypeptides"Gene. 288. 103-110 (2002)

  • [文献書誌] Suzuki, M: "Involvement of the Polycomb-group gene Ring1B in the specification of the anterior-posterior axis in mice"Development. 129. 4171-4183 (2002)

  • [文献書誌] Akaska, T: "MBLR, a new RING finger protein resembling mammalian Polycomb gene products, is regulated by cell cycle-dependent phosphorylation"Genes Cells. 7. 835-350 (2002)

  • [文献書誌] Fukuda, K: "Mesenchymal expression of Foxl1, a winged helix transcriptional factor, regulates generation and maintenance of gut associated lymphoid organs"Dev. Biol.. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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