研究課題
細胞内蛋白質分解の主要な機構として知られるユビキチン/プロテアソーム系の最終段階を受け持つ26Sプロテアソームは分子量約2000kDaの巨大な蛋白質複合体である。これまで、ユビキチン/プロテアソーム系の制御機構としてユビキチン化のステップに興味が集中していたが、我々は26Sプロテアソームの構造と機能の解明を目的とした。26Sプロテアソームに含まれる脱ユビキチン化酵素の活性制御が標的蛋白質の分解の時空制御の解明に不可欠であると考えたからである。26Sプロテアソームは酵素の活性中心を含む20S-CP部分と調節因子19S-RPからなる。19S-RPはさらにベース(Rpt1〜6、Rpn1、Rpn2、Rpn13)とリッド(Rpn3、Rpn5〜9、Rpn11、Sem1)と呼ばれる蛋白質複合体からなる。本年度はリッドの構成成分の一つRpn5について集中的に解析した。これまでの研究成果から、Rpn5はリッド形成の際の中核となる4つのサブユニット(Rpn5、Rpn8、Rpn9、Rpn11)の一つであることが分かっている。Rpn5に対する抗体を作成した。クローニングした野生型RPN5遺伝子を基に、PCR法を用いて変異を誘発し、温度感受性変異mp5-1を得た。RPN6、RPN7の温度感受性変異体が制限温度でリッドの部分複合体を形成するのに対して、rpn5-1株は制限温度下でこのようなサブユニットの集合体を形成しなかった。これは、Rpn5がリッド形成の中核となることと調和する。ベースの構成成分の一つであるRpn2の変異株について調べたところ、ベースとリッドは互いに独立に集合し、その後19S-RPを形成することが分かった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
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