ユビキチンープロテアソーム系で、エネルギー異存的な蛋白質の分解を受け持つのが26Sプロテアソームである。26Sプロテアソームは30余のサブユニットから構成される蛋白質複合体で、これ迄に知られる蛋白質分解酵素の中で最大のもであり、これによるユビキチン化された蛋白質の分解機構もユニークである。26Sプロテアソームは活性中心を含む20Sプロテアソームと調節因子(1RP)から成ること、およびサブユニットの構成成分が既に解明されている。本研究課題では、19SRPの形成およびそれに含まれるサブユニットの機能を遺伝学的および生化学的な方法によって解明することを目的とした. 10SRPの部分複合体の一つリッドは13個のサブユニットを含む。これまで突然塀体の分離が報告されていないサブユニット遺伝子について温度感受性変異体を分離し、解析を行った.制限温度で培養した温度感受性変異体はいずれも26Sプロテアソームホロ酵素を産生できなかった。許容温度で生幾した変異体からは変異サブユニットを含む26Sプロテアソームが精製された。一端つくられた変異型酵素は酵素活性に関して温度感受性は示さなかった.このことから、Rpn6pおよびRpn7pは酵酵素活性中心の成分ではなく、26Sの構造形成に係わるものと結論された.さらに、制限温度下で、リッドのサブ複合体が形成されていることを見出し、そのサブユニット組成を明らかにした。一方、Rpn5変異体は制限温度下でリッドの部分複合体を形成しなかった。この結果はRpn5pがリッド形成の初期過程で中心的な役割を果たしていることを示している.また、この変異体では完全なベースが作られていたので、ベースの形成にリッドは全く関与しないことも明らかにした。ベースの構成成分の変異体rpn2についても温度感受性株を作成し同様の会せきを行った.各変異体を用いた26Sプアロテアソームの構成成分の細胞内局在を調べた結果、20Spuroteaso-mu、ベース、リッドはそれぞれ独立に形成され核内に輸送され、核内で26Sプアロテアソームが組み立てられる道筋があることを示すことができた.
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