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2001 年度 実績報告書

細胞周期進行による細胞死制御

研究課題

研究課題/領域番号 13043013
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

鍔田 武志  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80197756)

研究分担者 宮島 篤  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)
キーワード細胞死 / アポトーシス / 分化 / CDKインヒビター / c-Myc / Ras / 肝細胞 / リンパ球
研究概要

細胞周期回転による細胞死制御のメカニズムを明らかにするために、我々は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)インヒビターp27^<Kip1>の発現によりB細胞株WEHI-231の細胞死を誘導する系と、p27^<Kip1>の発現により筋芽細胞C2C12の細胞死を阻害する系を樹立し、CDKインヒビターによる細胞死制御が細胞のコンテキストに依存しておこることを明確に示した。さらに、その分子機構を解明するために、WEHI-231細胞に、レトロウイルスベクターを用いて、種々のcDNAフラグメントを導入し、p27^<Kip1>の発現下で生存した細胞からcDNAフラグメントを回収することにより、このような細胞死を制御する遺伝子の同定を行った。同定された遺伝子の1つはc-Myc遺伝子で、そのアンチセンスの発現により、WEHI-231の細胞死が阻害された。さらに、c-MycのアンタゴニストであるMadの発現によっても、細胞死が抑制された。
WEHI-231細胞ではc-Mycの発現が高いが、C2C12では低い。C2C12細胞にc-Mycの発現を誘導すると、細胞死阻害がおこらなくなった。これらの結果は、c-MycがCDKインヒビターによる細胞死制御におけるコンテキスト形成において重要な役割を果たし、そのレベルが高いと細胞死が誘導され、低いと細胞死が阻害されることが明らかとなった。また、細胞分化系として、胎生肝細胞の培養系にて、分化を再現する実験系を確立した。さらに、サイトカインあるい細胞接着による肝細胞の増殖と分化のメカニズムを解明するために、レトロウイルスベクターを用いた遺伝子導入を行い、サイトカインシグナル伝達分子STAT3が種々の肝機能遺伝子の発現に、また、Rasが肝細胞のadherens junction形成に重要であることを示した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Suzuki A: "T cell-specific loss of Pten leads to defects in central and peripheral tolerance"Immunity. 14. 523-534 (2001)

  • [文献書誌] Adachi T: "SHP-1 requires inhibitory co-receptors to downmodulate B cell antigen receptor-mediated phosphorylation of cellular substrates"J.Biol.Chem.. 276. 26648-26655 (2001)

  • [文献書誌] Tsubata T: "Molecular mechanisms for apoptosis induced by siganling through the B cell antigen receptor"Int.Rev.Immunol. Vol.20 No.6. 791-803 (2001)

  • [文献書誌] Higuchi T: "Cutting Edge : Ectopic expression of CD4O ligand on B cells induces lupus-likeautoimmune disease"J.Immunol. 168. 9-12 (2002)

  • [文献書誌] Matsui T: "K-Ras mediates cytokine-induced formation of adherens junctions during liver development. (In press)"EMBOJ. (2002)

  • [文献書誌] Takeuchi M: "Cultivation of AGM-derived hematopojetie sttem cells in the fetal liver microenviron-ment amplifies long-term repopulating activity and enchances homing to the bone marrow"Blood. 99. 1190-1196 (2002)

  • [文献書誌] Kinoshita T: "Oncostatin M suppresses generation of progenitors in fetal liver by inhibiting the hepatic microenvironment"Experimental Hematology. 29. 1091-1097 (2001)

  • [文献書誌] Tsubata T: "Activating and Inhibitory Immunoglobulin-like Receptors"Sprnger-Verlag TOKYO. (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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