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2002 年度 実績報告書

細胞周期進行による細胞死制御

研究課題

研究課題/領域番号 13043013
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

鍔田 武志  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80197756)

研究分担者 宮島 篤  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)
キーワード細胞死 / アポトーシス / 分化 / CDKインヒビター / c-Myc / Ras / 肝細胞 / リンパ球
研究概要

細胞周期進行による細胞死制御の機構を解明するために、レトロウイルスベクターを用いた効率的遺伝子導入法とThymidineやL-MimosineといったG1-S期で細胞周期を阻害する薬剤をもちいてBリンパ急株に細胞死を誘導する系を組み合わせることにより細胞死耐性を誘導する遺伝子を著明に濃縮する系を樹立した。この方法により、種々の処理をしたB細胞株より得たcDNAライブラリーより細胞周期停止の際に細胞死を阻害する遺伝子断片を3つ得た。その1つはcMyc遺伝子がアンチセンス方向に挿入された断片であり、この発現によりc-Mycの発現レベルが低下し、さらに、CDKインヒビターによるBリンパ球の細胞死を著明に抑制した。この結果は、c-Mycが細胞周期停止に伴う細胞死誘導に関与することを強く示唆している。我々は、筋芽細胞を終末分化させる系を用いたCDKインヒビターが細胞死を抑制する系と、B細胞株の細胞周期を停止してアポトーシスを誘導する系を比較し、c-Mycの発現レベルが筋芽細胞で著明に低く、さらに、c-Mycの発現を増強することにより、筋芽細胞においてもCDKインヒビターの発現により細胞死を起こすことを示し、c-Mycが細胞周期制御による細胞死制御を決定することを明らかにした。その他の遺伝子断片についても、その機能の解析を行っている。
また、細胞分化や組織再生の際の細胞周期進行による細胞死制御を明らかにするため、Oncostatin M (OSM)によって分化が誘導されるマウス胎仔肝細胞の初代培養系を樹立し、この系において、OSMにより活性化されたSTAT3はDサイクリンの発現を抑制すること、さらに、K-Rasは肝細胞のE-cadherinを介したadherens junction形成に重要であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Matsui T., Kinoshita T., Morikawa Y., Tohya K., Katsuki M., Ito Y., Kamiya A., Miyajima A.: "K-Ras mediates cytokine-induced formation of adherens junctions during liver development"EMBO J.. 21. 1021-1030 (2002)

  • [文献書誌] Matsui T., Kinoshita T., Hirano T., Yokota T., Miyajima A.: "STAT3 down-regulates the expression of cyclin D during liver development"J. Biol. Chem.. 277. 36167-36173 (2002)

  • [文献書誌] Nakayama K., Kim K-W., Miyajima A.: "A novel nuclear zinc finger protein EZI enhances nuclear retention and transactivation of STAT3"EMBO J.. 21. 6174-6184 (2002)

  • [文献書誌] Higuchi, T., Aiba Y., Nomura, T., Matsuda, J., Mochida, K., Suzuki, M., Kikutani, H., Honjo, T., Nishioka, K., Tsubata T.: "Cutting Edge : Ectopic expression of CD40 ligand on B cells induced lupus-like autoimmune disease"J. Immunol.. 168. 9-12 (2002)

  • [文献書誌] Wakabayashi, C., Adachi, T., Wienands, J., Tsubata, T.: "A distinct signaling pathway used by the IgG-containing B cell antigen receptor"Science. 298. 2392-2395 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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