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2002 年度 実績報告書

細胞の老化と不死化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 13043024
研究機関京都大学

研究代表者

眞貝 洋一  京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (20211972)

研究分担者 立花 誠  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (80303915)
キーワードテロメア / テロメラーゼ / 染色体 / 細胞増殖 / TRF1
研究概要

細胞の老化と不死化の分子機構については、すでにテロメアの維持が重要であることが明らかとなっている。テロメア長がある閾値以下になると、染色体の不安定化とp53/ATMを介したチェックポイント機構の活性化による細胞分裂の停止あるいは細胞死が誘導される。しかし、テロメア維持にテロメラーゼが重要であることは明らかにされているものの、この染色体の安定化に寄与したりp53/ATM等の監視機構を制御しているテロメア構造の本質は、分子レベルではまだ不明な部分が多い。
今年度は、研究計画で上げていた項目のうち、「2本鎖テロメア配列に結合する因子の一つ、TRF1が担うテロメア構造維持における機能の解析」に、特に進展が見られた。
従来のシークエンシャルなノックアウト法ではTRF1欠損ES細胞を樹立することが出来なかった。そこで、ヒドロキシタモキシフェンとlox-Creシステムを用いるコンディショナルなTRF1ノックアウトES細胞を樹立した。この細胞を用いて、コンディショナルにTRF1を欠損させると、増殖阻害とテロメア構造の変化が観察された。また、コンディショナルにTRF1を欠損させた系から樹立したTRF1ノックアウトES細胞では、同様の増殖低下が観察されるだけでなく、テロメア末端間で融合した染色体が高頻度に観察されることが明らかとなった(テロメア配列は染色体末端に十分に観察されるにもかかわらず)。以上のことより、これまで示唆されていた「テロメア長の負の調節因子」としての機能だけでなく、TRF1は「細胞増殖や染色体の安定性を保証する機能的テロメア構造の維持」にも重要な役割を持つことが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tachibana, M., Sugimoto, K., Nozaki, M., Ueda, J., Ohta, T., Ohki, M., Fukuda, M., Takeda, N., Niida, H., Kato, H., Shinkai, Y.: "G9a histone methyltransferase plays a dominant role in euchromatic histone H3 lysine 9 methylation and is essential for early embryogenesis"Genes and Development. 16(14). 1779-1791 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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