研究課題/領域番号 |
13043039
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
関口 猛 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60187846)
|
研究分担者 |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
|
キーワード | RCC1 / Rag A / RNA結合タンパク質 / Skp2 / ユビキチン化 / p27^<Kip1> |
研究概要 |
細胞周期の進行に関わる遺伝子のうちでタンパク質の輸送に関わるものを明らかにしょうという観点から私達は、タンパク質の核への輸送やmRNAやタンパク質の核外への輸送などに働くGタンパク質のRanのGEF(グアニンヌクレオチド交換因子)であるRCC1とそれに機能的に関連する遺伝子の解析を行ってきた。今年度は、RCC1の働きがタンパク質の修飾により変化を受けるかを調べるために、MPFや、chk1でリン酸化されるアミノ酸を同定した。RCC1に関連しタンパク質の合成に関わっているRNAヘリカーゼDBXの温度感受性変異株ET24をもちいて、Y染色体にあるDBXの相同遺伝子DBYの解析を行なった。DBYも核と細胞質をシャトルしてET24株の変異を相補した。一方、RCC1に関連するGタンパク質のRag A/GTR1については、Rag Aと結合できる核小体タンパク質Nop132と結合する核小体のタンパク質を同定した。また、リボソーム遺伝子の転写に関わるRpc19pがGtr1pと結合することを示した。また、翻訳に関わるalanine tRNA合成酵素の変異株を分離し細胞周期タンパクの合成が低下しアポトーシスが誘導されることを示した。 中山らは、KPCとp27の結合、及びユビキチン化活性に必要な分子間相互作用を解明する研究を行った。p27の欠失変異体を作製してKPC1/KPC2への結合を検討したところ、サイクリン・CDKとの結合領域である43-101の領域が結合に重要であることが明らかとなった。そこでサイクリンE・CDK2を同時に発現させてやると、p27とKPC1/KPC2の結合は阻害されることから、KPC1/KPC2はフリーのp27に結合してユビキチン化するが、サイクリン・CDKに結合したp27はユビキチン化できないことが判明した。さらにKPC1の欠失変異体を作製して、p27との結合を調べると、N末端の1-766の領域が必要であることが明らかとなった。同時にKPC1の欠失変異体とKPC2との結合を調べると、やはりN末端の1-399の領域が必要であることが示された。さらにKPC2の欠失変異体も作製したところ、N末端のユビキチン様ドメイン(1-95)がKPC1との結合に必要であることが明らかとなった。
|