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2002 年度 実績報告書

サイクリン依存性キナーゼカスケイド

研究課題

研究課題/領域番号 13043057
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

稲垣 昌樹  愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 部長 (30183007)

研究分担者 永田 浩一  愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 室長 (50252143)
キーワード中間径フィラメント / リン酸化 / Aurora-B / 細胞質分裂
研究概要

これまでに、中間径フィラメント(IF)が細胞分裂に関与する種々のキナーゼによって分裂溝で特異的にリン酸化されることと、このリン酸化がIFの分裂溝における局所的な断裂を引き起こし、娘細胞へのIFの分配に必須な役割を果たすことを明らかにした。我々は、細胞質分裂期に分裂溝で特異的に活性化されIF蛋白質をリン酸化する分裂溝キナーゼとしてRhoキナーゼを同定していたが、最近、重要な分裂溝キナーゼとしてAurora-Bを同定した。すなわち、Aurora Bはin vitrolにおいて種々のIF構成蛋白質(ビメンチン、GFAP、デスミン)をリン酸化することができ、これらのIF蚤白質内のリン酸化部位は細胞内において分裂後期の分裂溝で特異的にリン酸化されていた。次に、これらのリン酸化部位に変異を導入することによって、Aurora Bキナーゼが分裂溝におけるIFの局所的な断裂に重要であることを明らかにした。さらに、Aurora BとRhoキナーゼのリン酸化部位に変異を導入することによって、Aurora-Bが優位なIF蛋白質キナーゼとして機能することを決定した。最終的に、Aurora BとRhoキナーゼは細胞質分裂時にIFをリン酸化し、その構築制御を協調的に行っているという分子機構が考えられた。一方、Aurora-Bは染色体の凝縮・分離にも重要な役割を担っている。我々は、分裂前期から中期にかけて、核内のヒストンH3のSer10およびSer28のリン酸化反応が認められる領域に一致した部位にAurora-Bが局在すること、および、Aurora-Bがin vitroにおいてヒストンH3のSer10・Ser28を直接リン酸化しうることを見出した。従って、Aurora-Bは分裂期の前半では染色体に局在しヒストンH3などのクロモソーム構成蛋白質のリン酸化反応を介して染色体凝縮に重要な役割を担っているというモデルが考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Goto, H., et al.: "Aurora-B phosphorylates histone H3 at serine28 with regard to the mitosic chromosome condensation"Genes to Cells. 7. 11-17 (2002)

  • [文献書誌] Izawa, I., et al.: "Densin-180 interacts with δ-catenin/neural plakophilin-related armadillo-repeat protein at synapses"J. Biol. Chem.. 277. 5345-5350 (2002)

  • [文献書誌] Izawa, I., et al.: "ERBIN associates with p0071,an armadillo protein, at cell-cell junctions of epithelial cells"Genes to Cells. 7. 475-485 (2002)

  • [文献書誌] Kawajiri, A., et al.: "Functional significance of the specific sites phosphorylated in desmin at cleavage furrow : Aurora-B may phosphorylate and regulate type III intermediate filaments during cytokinesis coordinatedly with Rho-kinase"Mol. Biol. Cell. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Goto, H., et al.: "Aurora-B regulates the cleavage furrow-specific vimentin phosphoryorylation in the cytokinetic process"J. Biol. Chem.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Minoshima, Y., et al.: "Aurora B Phosphorylates MgcRacGAP and Induces PhoGAP Activity during M Phase : Identification of a RhoGAP Indispensable for Cytokinesis"Dev. Cell. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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