研究分担者 |
長谷部 光泰 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (40237996)
赤坂 甲治 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60150968)
佐藤 ゆたか 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40314174)
倉谷 滋 理化学研究所, 発生再生科学総合研究センター, チームリーダー (00178089)
|
研究概要 |
この班では,昆虫.ホヤ,ウニ,ヤツメウナギ・カメ,植物について,その発生システムの構造と進化のメカニズムについて研究を行なっている。野地は,ショウジョウバエとは異なる昆虫としてコオロギを選び,その初期発生のメカニズム調べるために,遺伝子の機能をRNAi法により調べた。コオロギの胚は,頭・胸の体節が初期に形成され,その後,後部体節が伸長して形成されるが,初期の体節形成には,Otdとhunchbackが関与しており,後部にはcaudalとwinglessが関与していることがわかった。コオロギにおいては,細胞間の相互作用により体節が形成されるが,この遺伝子カスケードが進化し,ショウジョウバエの同時体節形成メカニズムに至ったと考えられる。佐藤は,ホヤゲノムにコードされる転写因子とシグナル関連分子の同定を行なった。394個の転写因子遺伝子を同定し,117個のシグナル分子遺伝子を同定した。それらの遺伝子の発現パターンを網羅的に解析した。これらの研究からホヤの発生における転写因子と細胞間シグナルのネットワークが解明されている。赤坂は,ウニの発生関連遺伝子の発現調節を解明する目的で,組織特異的発現に関連するシスエレメントの解析を行なった。OtxLタンパク質の発現にOtxの結合サイトが必要であることを示した。Su(H)遺伝子は,ウニの二次間充織の細胞分化と原腸形成に関与していることがわかった。倉谷は,ヤツメウナギを用いて,頭部形態形成を調べ,脊椎動物の後脳の進化においては本来互いに2つに分離していた位置特異化のプログラムが二次的に統合されてHoxコードを介したロンボメア分節前後特異化がなされたと推測した。カメ甲の進化について調べるために,遺伝子発現の変化を調べたところ,Wntシグナル経路が新たに機能することが重要であることが示唆された。長谷部は、ヒメツリガネゴケESTデータベースの構築し,MADS-box遺伝子関連遺伝子の探索を行なっている。被子植物の花器官形成遺伝子であるLEAFY相同遺伝子を単離しその機能を調べ,比較解析を行なっている。
|