1.海産ヒドラのプラヌラ幼生変態を制御する神経ペプチドGLWamidesの構造と機能の進化的保存性と多様性:ヒドラにはGLWamides7種が存在し、C-末端のGLWamideが共通でN-末端側の配列はまちまちである。しかし、ヒドラ環状筋収縮活性、プラヌラ幼生変態促進活性は7種で差はなく、GLWamideモチーフがあれば十分である。しかし、サンゴのミドリイシのプラヌラ変態には7種中1種のみが有効で、GLWamide受容体の選択性がヒドロゾアより高いことが示唆された。 2.センチュウ(C.elegans)にもGLWamide遺伝子が存在し、3種のペプチドをコードすると考えられる。センチュウでは咽頭部位の介在神経で発現するが、これら介在神経は幼虫のダウアー形成に関与していることが知られている。ダウアーを変態と捉えると、GLWamidesは腔腸動物から線形動物まで変態ホルモンとして保存されていると考えることが可能である。 3.動物界における抗GLWamide抗体陽性細胞の探索:腔腸動物からラットまで、調べた全ての動物で神経細胞が陽性を示した。このことはGLWamide様神経ペプチドが動物界にあまねく存在することを示唆する。
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