本特定領域終了研究の主目的は領域研究の取りまとめであり、具体的には研究報告書の作成や研究会等における研究成果発表によって、研究成果を広く公表することであった。本領域研究によって書かれた論文は理論、実験を合わせて200篇を越える。そこで論文リストのデータベースを作成し、今後の研究において容易に成果を参考にできるようにした。本特定領域研究では、これまで計画研究代表者による運営委員会を毎月1回開き、領域の運営について議論し相互の連携を深めていた。そこで、H18年度においても運営委員会を継続し、研究成果の取りまとめが円滑におこなえるようにした。また、本特定領域の成果を公表するために、特定領域「重力波研究の新しい展開」ホームページの整備をおこなった。 総括班ではこれまで通り、原則月1回の運営委員会と技術検討会を開催した。運営委員会は、計画研究の代表者をメンバーとし、それぞれのグループが相互に密接な連絡をとりながら領域全体の自的に沿った研究を進めるための会議である。また、国際的な協力体制やデータ共同解析などもここで議論した。技術検討会では、毎回テーマを決めて、主にそれに沿ったいくつかの講演と議論を行う。これには学生なども参加し、有意義な議論が行われた。 また、今年度は、TAMA-LIGO同時観測で得られたデータの相関解析が進み、共同でその結果を論文として出版した。これは意味のあるデータとしては初めてのコインシデンス解析結果であり、世界的にも有意義なマイルストーンとなるものである。同時に、TAMA感度の2桁向上を図る次世代干渉計LCGT計画のための技術開発を推進しており、神岡においてLCGT実証機である100m低温鏡レーザー干渉計CLIOの建設が順調に進んでいる。既に干渉計の両腕が完成し、干渉実験にも成功している。
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