研究課題
本特定領域研究では、「原子→分子→細胞→個体」と階層的に研究を推進し、それらの連携によって「RNAネットワーク」の全体的かつ有機的な理解を深めることを目的にした。これらの研究成果は、RNA研究にとどまらず、広く生命科学に対する貢献として3つに集約することができる。・第一の貢献は、構造生物学と機能生物学を連携駆使した研究によって、RNAタンパク質複合体やRNA制御シグナルの動的な作動原理に対する学術的な理解を深めたことである。・第二の貢献は、micro RNAを始めとするタンパク質をコードしない「小さなRNA」に関して先導的な研究を推進できたことである。ノンコーディングRNA(ncRNA)は本特定領域の開始時には全く想定されていなかった問題だが、ヒトゲノム・プロジェクトの完了によって、ヒトのRNAの98%をも占める機能未知な「RNA新大陸」として浮上した。今後の生命科学の最優先課題といっても過言ではないこの新たな問題に対して、本特定領域はその基盤研究として重要な貢献をすることができた。・第三の貢献は、本特定領域の研究が、意図するとしないとに係らず、RNAの医工学的な基盤の確立に寄与したことである。本特定領域は平成18年度をもって終了したが、その活動期間全体を通じた研究成果をとりまとめるに当たって、本特定領域の全班員による最終的な研究成果発表会を兼ねて平成18年12月に国際シンポジウムを開催し、平成19年6月に全班員から提出された研究業績をまとめた領域全体の成果報告書(冊子体)を作成し、本特定領域研究の事後評価ヒアリングの資料として提出した。なお、事後評価においては「A+」と評価され、本プログラムはその目的を十分に達成することができた。
すべて 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 10件) 備考 (1件)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 105
ページ: 3915-3920
Nucl. Acids Res. (In press)
RNA (In press)
Mol. Cell. Biol. (In press)
Oligonucleotides 17
ページ: 12-21
RNA 13
ページ: 811-816
Mol. Microbiol. 63
ページ: 1669-1683
Genes Cells 12
ページ: 639-650
Translational Control in Biology and Medicine. Cold Spring Harbor, New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press.
ページ: 173-196
Mol. Micro. 63
ページ: 116-126
Prion 1
ページ: 69-77
Nucl. Acids Symp. 51
ページ: 395-396
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/molbiol/index.html