研究課題/領域番号 |
13123201
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鮎京 正訓 名古屋大学, 法政国際協力研究センター, 教授 (40126826)
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研究分担者 |
松浦 好治 名古屋大学, 法政国際協力研究センター, 教授 (40104830)
佐分 晴夫 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70093036)
佐々木 雄太 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20040793)
三ヶ月 章 東京大学, 名誉教授
森嶌 昭夫 名古屋大学, 名誉教授 (80022416)
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キーワード | アジア / 支援 / 体制移行 / 法学教育 / 法文化 / 市場経済化 / グローバル化 |
研究概要 |
本プロジェクトでは、「アジア法整備支援」という現象を、「体制転換と『法の移植』」、「法整備の包括的枠組み」、「法整備支援の手法と評価に関する理論研究」というそれぞれの観点から解明するというアプローチを採用したが、これまでの研究においてこれら3つの計画研究はきわめて密接に関連していることが、あらためて明らかとなった。すなわち、中東欧諸国およびソ連邦の社会主義体制の崩壊以降のアジア体制移行諸国では、もちろん各国によってその体制転換の経緯ならびに法学教育水準および法文化のあり方などによって、法整備の実際の編成過程は多様であるが、それにもかかわらず、各国の体制移行の過程は、全体として、社会主義体制のもとで形成されてきた従来の法整備を貫く原理-行政的中央集権的な法システム-から市場経済化に適合的な法システムヘの転換と特徴づけることが可能である。したがって、法整備を貫く法原理の転換は、法曹養成、法学教育、司法制度などあらゆる分野にわたる改革の課題をアジア体制移行諸国に求めるにいたった。また、これらの法原理の転換は、主としてグローバル化の心とでの諸ファクター-例えばWTOへの加盟など-にその主要な動機づをもっており、その意味では「外圧」から起こっている法整備という特徴を顕箸に有している、この間、本プロジェクトが行なってきた、ベトナム、カンボジアなどに対する調査・研究は、これらの「外圧」にともなって不可避的に国内法を整備していこうという状況を確認することができた。 また、新しい時代状況のなかで法整備を行なおうとする場合、アジアの体制移行諸国において古い起源をもつ「伝統法」が、今日の法状況のもとで新たに復活し、または維持されつつ、現に効力をもつ慣習法として機能し、実際には、国家制定法とならんで伝統法が存在するという法の「二元化」状況が存在することが確認された。 さらに、2003年度「全体会議」を行ない、法整備支援にともなう、中南米、力ンボジア、ラオス、インドネシア、モンゴルに関する若手研究者の理論的貢献を明らかにした。また、ベトナム国家と法研究所「ベトナムにおけるWTO加盟準備と法制改革」、ウズベキスタン・タシケント国立法科大学「ウズベキスタンにおける伝統法と司法改革の現状と課題」、ハンガリー科学アカデミー法学研究科「EU統合中東欧諸国における法のハーモナイゼーション」の委託調査を行なった。
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