研究概要 |
2005年(平成17)年度は、本研究の最終年度になるため、全体のプロジェクトで本研究班に与えられた法整備支援と市場経済化に関する論文集を作成することと、このためのベトナムの研究者との間の共同研究を総括することに重きをおき、2005年12月23日から30日までベトナム南部のカントーにあるカントー大学法学部長のDien教授の協力を得て、裁判官・公証人・弁護士・研究者等とのセミナーとともに農村への聞き取り調査なども実施した。また、昨年来のベトナム研究者との研究の交流は、目下、ワーキングペーパー集として成果のひとつととしてまとめる他、昨年のベトナムのロンハイおよび上海・蘇州大学等で行ったセミナーとともに、早稲田大学班(東京班)としての固有の報告集にまとめているところである。そして、このプロジェクトの全体の報告書である名古屋大学のCALE叢書の第3巻に、以下の論文を掲載する。戒能通厚「法整備支援と市場経済化・総論」、武藤司郎「ベトナム土地法の歴史的変遷」、松本恒雄「ベトナム都市部の土地使用権と商品化」、野村豊弘「土地使用権と世帯(仮題)」、Nguyen Ngoc Dien, General view of the current regime of real property in Vietnamese law、楜澤能生「農村部の市場経済化と土地使用権」(仮題)、宮澤千尋「社会主義市場経済下による農村の構造変容」、佐藤安信「市場経済化と紛争処理の近代化」、沈軍「中国土地使用権の問題点」、李浩江「中国の農村集団土地所有権に関する法律制度の分析」である。
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