研究分担者 |
堀池 喜八郎 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80089870)
三浦 洌 熊本大学, 医学部, 教授 (70093466)
林 秀行 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (00183913)
島田 秀夫 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80095611)
広津 建 大阪市立, 大学院・理学研究科, 教授 (10047269)
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研究概要 |
本年度は、コンポジット生体触媒構築の基礎をなす酵素の構造活性相関の解析と共に、化学修飾した補酵素などを用いた新規コンポジット生体触媒の創出について成果が得られた。まず広津らは、イミダゾールグリセロールリン酸合成酵素およびアルギニノコハク酸合成酵素の精密立体構造にもとづき、分子内アンモニア輸送の機構の詳細を明らかにした。三浦らは、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼの補酵素FADを,人工的なFADに置き換えることによって,新規な触媒能を持つ酵素を作製した。谷澤らは、銅アミン酸化酵素に含まれるビルトイン型補酵素の一種,トパキノンが銅イオン依存的に自動的に生成する過程を時間分割X線結晶解析により追跡し,その過程における活性部位の構造変化を明らかにした。堀池らは、カテコール環をextradiol型に開裂する非ヘム2価鉄依存性の酸素添加酵素の設計原理を解明するために、進化の道筋が異なる4つの酵素、BphC(KKS102)、XylE(Mpc)、Mpc(Tth1521)、LigABを比較研究し、2価鉄イオンの結合部位、2プロトンを引き抜くヒスチジン残基、プロトンを供給する水分子を固定する残基の存在など、共通したコンポジット構造が存在することを明らかにした。林らは、アスパラギン酸アミノ基転移酵素の触媒反応について三次元自由エネルギー解析によって反応進行にともなうプロトンの移動の駆動力と、それをもたらす構造的要因を明らかにした。さらにC4基質とC5基質についての触媒過程に大きな違いがあることを明らかにし,タンパク質と基質の結合について新たな知見を提供した。島田らは、ミトコンドリア内膜に存在する巨大たんぱく質複合体であるウシチトクロム酸化酵素について、HeLa細胞を宿主とした発現系を構築することに成功し、酸素の還元反応に依存して起こるプロトンポンプに必須のアミノ酸残基などを明らかにした。
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