研究課題/領域番号 |
13126103
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
高橋 武重 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20041543)
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研究分担者 |
椿 範立 富山大学, 工学部, 教授 (00272401)
相田 隆司 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (00262262)
上野 晃史 静岡大学, 工学部, 教授 (30135420)
田川 智彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10171571)
岸田 昌浩 九州大学, 工学研究院, 助教授 (60243903)
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キーワード | 触媒反応場 / 溶媒効果 / 高速昇温 / 非定常反応場 / 直流電場 / プラズマ場 / 複数反応場 / バイモダル触媒 |
研究概要 |
固体触媒を使用する反応の速度および目的生成物への選択率が反応雰囲気によって変化することは知られている。この関係を定量的に表すためには、反応場の定義と各種反応場における触媒活性と選択性の関係を明らかにすることが必要である。本班は、(1)溶媒、昇温速度、非定常状態等の反応に直接関連する反応場と触媒活性の関係を検討するサブグループ、(2)熱以外のエネルギーを触媒に与えることにより活性の向上を目指すサブグループ、(3)複数の反応場を同一触媒に付与することによる活性および選択性の向上を試みるサブグループに分かれて研究を遂行している。平成15年度は、(1)のサブグループの研究を題材として、反応場を変化することに伴う触媒と反応物質の相互作用の変化についてミニセンポジウムを開催して意見の交換を行った。具体的には、昇温速度の変化に伴い、モリブドケイ酸の生成速度と活性が変化する上野らの研究、ベックマン転位反応に及ぼす希釈する溶媒と反応蒸気の物理的・化学的性質の影響について検討している高橋らの研究、そして気相の酸素がない状況における酸化反応の解析から、酸化・反応の繰り返し操作の重要性を示した相田らの研究である。触媒の調製と反応が同時に進行する場での反応条件の影響を解析することが重要であることが指摘された。また、触媒と反応物質の相互作用を解析するためのキャラクタリゼーション法が話し合われた。 本班は、全体会議にあわせて2回の班会議を開催し、平成14年度に発足した共同研究の成果についての発表を行った。岸田らが提唱した触媒調製法を椿が採用して、新しいFT合成用触媒の開発を行い、その活性および中程度の沸点をもつ液状生成物の収率がそれまで使用していた触媒よりも向上することを見出している。このように不十分な点はあるものの新たな研究シードを生み出しながら、本班での研究は初期の目標を達成したと考えている。
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