研究課題/領域番号 |
13126104
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
五十嵐 哲 工学院大学, 工学部, 教授 (90005538)
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研究分担者 |
草壁 克己 九州大学, 工学研究院, 助教授 (30153274)
増田 隆夫 北海道大学, 工学研究科, 教授 (20165715)
亀山 秀雄 東京農工大学, 工学部, 教授 (10114448)
山中 一郎 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (90240051)
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60160222)
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キーワード | 触媒分子反応工学 / 構造体触媒 / プレート型触媒反応器 / メンブレンリアクター / 電池型膜反応器 / 触媒反応場 |
研究概要 |
本班は、充填層型触媒反応器に代わる新しい反応場として、ナノ-マイクロ反応場である触媒とマクロ反応場である反応器が一体化した構造体触媒反応器の開発を目的としている。具体的には、触媒と反応器で構成される反応場をシステムとしてとらえ、反応場、伝熱場、および分離場の集積化を図ることによって、伝熱促進、反応分離、および活性種制御の向上を目指している。この目的を達成するために、(1)反応器内壁に活性金属成分を担持したプレート型触媒により熱伝達機能を付与した反応場を創出するグループ(五十嵐、亀山)、(2)各種の選択透過膜分離膜により分離機能を付与した反応場を創出するグループ(増田、草壁、上村)、(3)電気化学的酸素透過膜を用いて触媒上に生成した活性酸素種を制御することによる炭化水素などの選択酸化反応場を創出するグループ(山中、竹平)、の3つのサブグループを編成し、上述の課題に取り組んだ。その結果として得られた成果は、新しい反応場である構造体触媒反応器の学理のための基盤の構築に寄与したと考えられる。さらに、工業的には、水蒸気改質法による水素製造、メタノールからオレフィンの選択的合成、一酸化炭素の高効率酸化、二酸化炭素の一酸化炭素への転化と炭化水素の脱水素の同時制御、またアルケンやアルカンなどの部分酸化などのために新規な手法を提案したと考えられる。 さらに、本班の共通概念である構造体触媒についての相互理解を深めるために、平成15年度は「構造体触媒の体系化」に関するミニシンポジウムを開催した。また、平成14年度に行なった本班と他の班の班員による3件の共同研究に引き続き、平成15年度は5件の共同研究を実施し、構造体触媒からのアプローチによる触媒分子反応工学の基盤の構築に努めた。 以上、初期に掲げた「構造体触媒を用いた反応工程の高度化」なる目標が、本班の研究活動によって十分に達成できたと考えられる。
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