研究課題/領域番号 |
13126217
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
草壁 克己 九州大学, 工学研究院, 助教授 (30153274)
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研究分担者 |
外輪 健一郎 九州大学, 工学研究院, 助手 (00336009)
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キーワード | 無機膜 / 触媒・化学プロセス / ナノ材料 / 燃料電池 / 反応・分離 / 酸化反応 / 一酸化炭素 / ゼオライト |
研究概要 |
多孔質セラミックス膜を構成する材料は従来から不均一触媒の担体として利用されている。これまで、多孔質膜は分離機能だけに着目して開発されてきたが、近年、触媒活性を示す触媒層と分離層が一体化することで、中間生成物や異性体の合成、反応速度の増大などの効果が期待できる触媒膜反応器に関する研究が行われるようになった。しかしながら、膜透過と触媒反応が同時に進行すること考慮して、速度解析を行った研究例は報告されていない。本研究では、水熱合成法およびイオン交換法を用いて、多孔質α-アルミナ支持管の外表面に金属担持Y型ゼオライト触媒膜を作製した。この触媒膜の組成および構造が、気体透過特性およびCO除去性能に及ぼす影響を明らかにするとともに、膜内の濃度分布と反応・透過特性の関係について検討した。 触媒膜の498KにおけるCO分離係数およびCO酸化特性に及ぼすPt担持量の影響について検討した結果、H_2/COの分離係数は3.4wt%-Pt担持膜で最も大きかった。一方、H_2/CO混合気体中にO_2を供給すると、膜透過時にCOが酸化されるため、COの透過流束は減少した。このとき、分離係数が最も大きかった3.4wt%-Pt担持膜が、最も高いCO酸化性を示した。また、供給気体の組成がCOの反応・透過特性に及ぼす影響を調査したところ、膜透過時のCOの反応選択性は80-100%であった。さらに、Ptを1.3wt%担持した触媒膜の外表面に水素選択透過性を示すシリカ層をCVD法により析出させると、透過側のCO濃度が減少した。これは、COの酸化反応がLangmuir-Hinschelwood型の触媒反応であるため、水素選択透過性を示すシリカ層を触媒膜の表面にコーティングしたことにより、ゼオライト触媒膜内におけるCO濃度が減少し、反応速度が増大したためであった。
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