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2001 年度 実績報告書

ラジカル連鎖に関連する素反応過程の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13127104
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関立教大学

研究代表者

長村 吉洋  立教大学, 理学部, 教授 (50160841)

研究分担者 森田 明弘  京都大学, 理学研究科, 助手 (70252418)
橋本 健朗  東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40202254)
キーワード気相ラジカル反応機構 / ポテンシャルエネルギー面 / ラジカル-水錯体 / 分子軌道法 / 量子化学計算 / 反応中間体 / 水和効果
研究概要

本研究班では理論的手法を用いて、大気化学反応および燃焼反応において関与しているラジカル種の反応性ならびにそれらの生成・消滅過程を調べる。さらに、大気ラジカル分子の反応性が、水分子の関与によってどのように変化するのかについて量子化学計算を行い、水分子あるいは水クラスターが、ラジカル反応をどのように制御しているのかを、反応のポテンシャルエネルギー計算と、反応動力学による反応速度計算を行い、水の関与したラジカル反応を含む新しい大気・燃焼反応機構の構築に寄与していく。
今年度は、大気成分であるO_2や過酸化ラジカルが、大気中に存在する水分子とどのような相互作用をして安定化しうるのかを調べ、大気成分として寄与しているかどうかを調べた。その結果、O_2やN_2、NO_xと水との錯体は非常に安定化エネルギーが小さいのに対して、HO_xラジカルやSO_xラジカルは水分子と非常に安定な錯体を作ることがわかった。
また、成層圏内で重要なオゾンの光分解過程ならびにオゾンの光解離によって生じるO(^1D)とO_2分子との衝突による失活過程を調べるために、オゾンの励起状態におけるポテンシャルエネルギー面を求めた。その結果は、最近の松見グループによる衝突実験の結果とよい一致を示した。
現在進めている研究テーマとしては、これまで提案されてきている大気中に存在する硫黄化合物の酸化過程について、疑問となる気相ラジカル反応の機構をポテンシャルエネルギー面を求めその妥当性を検証することである。SHラジカルの酸化過程については、これまで提唱されている機構には大気中で起こりえない過程が含まれていること、また水分子の関与によって、その機構が大きく変化しうる可能性が見出され,次年度の課題であるDMSの酸化過程を調べる上で、大変興味ある結果が得られつつある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] N.Balucani, O.Asvany, Y.T.Lee, R.I.Kaiser, Y.Osamura: "Formation of three C_4H_3N nitrile isomers from reaction of CN(X^2Σ^+) with allene, H_2CCCH_2(X^1A_1), and methylacetylene, CH_3CCH(X^1A_1)"J. Chem. Phys. A. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Kota Daigoku, Nobuaki Miura, Kenro Hashimoto: "Electronic states of NH_4(NH_3)_n (n=0-4) cluster radicals"Chem. Phys. Lett.. 347・1-2. 81-88 (2001)

  • [文献書誌] A.Morita, J.T.Hynes: "A theoretical analysis of the Sum Frequency Generation Spectrum of the water surface II. Time-Dependent Approach"J. Phys. Chem. B. 106・3. 673-685 (2002)

  • [文献書誌] A.Morita, S.Kato: "Charge polarization with large amplitude hydrogen motion of Pyrazinyl radical : Implication for the diffusion dynamics"Chem. Phys. Lett.. 348・1-2. 155-159 (2001)

  • [文献書誌] R.Bianco, W.H.Thompson, A.Morita, J.T.Hynes: "Is the H_2OCl^+ ion a viable intermediate for the hydrolysis of ClONO_2 on Ice surface?"J. Phys. Chem. A. 105・13. 3132-3139 (2001)

  • [文献書誌] R.Takasu, K.Nishikawa, N.Miura, A.Sabu, K.Hashimoto: "Photodissociation Spectroscopy of Li-H_2O and Li-D_2O Complexes"J. Phys. Chem. A. 105・27. 6602-6608 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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